藤崎町 未来志向の地域デザインプロジェクト ファシリテーター講座が始まりました!
これからの日本の各地域は、人口減少、高齢化などの影響を受けて、先行きが見えない変化の時代へ向かうことが明確です。また、様々な社会課題は複雑に入り組み、ひとつのセクターからの視点だけでは、持続的に地域を発展させていくことは難しくなることが予想されます。そのような中で、期待されているAI、IoTなどのテクノロジーは、発展していく方向ですが、それが具体的に生活にどこまで浸透していくのかは、まだまだわかりません。
そこで、住民、企業、NPO、行政など、多様なセクターにいて様々な得意分野を持ち合わせている人が集まり、セクターや組織を超えたチームプレーによる共創という新しい推進力が生み出すために、『藤崎町 未来志向の地域デザインプロジェクト』が、青森県藤崎町で始まりました。
今回はプロジェクトのDAY01で、『藤崎町の活性化に力を貸したい!』という想いを持っている方々が、藤崎町の町内外から17名集い、各人が新しい問題の解決や、ありたい姿へ到達する道筋をつくり出すためのフューチャーセッションを開催できる『イノベーション・ファシリテーターの講座』を行いました!
本レポートでは、その内容およびセッションの一部をご紹介します。
ふじさき地域デザインLABO 共創アドバイザー 最上さんから「プロジェクトの説明」
はじめに、ふじさき地域デザインLABO 共創アドバイザーである フューチャーセッションズの最上さんから、プロジェクトの概要や、進め方についての説明がありました。
最上さん)このプロジェクトは、人口減少や高齢化などの複雑な問題に向き合うに当たって、行政などの単一セクターだけではなく、みんなで考えながらより良い地域を創造することを意図して始まっています。『共創』という表現を使っていますが、これはみんなで一緒に取組みをつくっていきたいということです。
そして、いま『みんなで一緒につくる』という表現をしましたが、これは「誰かがやりたいことで、自分がやりたくないことを手伝ってください」ということではなく、『私がやりたいことをつくって、それを私たちがやりたいこととして捉えられるように工夫して、仲間を少しでも増やしながら進めていくこと』です。
その上では、自分自身が楽しむことや、このチーム全体が楽しんで活動していくことが重要だと考えています。また、最終的にやってみたいことは、規模ではなく質で考えて、継続する活動こそが良いという価値観で進めていけきたいと考えています!
改めて、2019年度のプロジェクトの進め方ですが、2019年度は、共創を促す手法である“フューチャーセッション”を学び、ファシリテーションを実践してプロジェクトを構想します。2020年度は、構想されたプロジェクトの実践です。自主開催するセッションを通じて、利己的な価値だけでなく、まちのみんなにも価値がある活動を進めていきます。その際、まちの内外を問わず、藤崎町への想いを持った人を招き入れながら、参加する人たちがワクワクできるように活動を展開し、まちに潤いを生み出していきたいと思っています。
そして、今日から始まるファシリテーション講座ですが、いくつかの学びがあります。大きな特長としては『問いのつくり方』を学びます。問いがつくれると、多くの人を招き入れた活動につながるため、ぜひ身に付けていただきたいです。また、『どんな参加者を招き入れると対話が深まるか』を設計する力や、『目的に即したセッションを設計する力』、『セッションの場で起こったこと報告するスキル』も学んでいただきます。それと手法論だけに留まらず、『共創を起こして行く人に求められる振る舞いやあり方』についても学びます。
最後に、この講座で最も意識して欲しいことは、『考えたくなる場をつくる』です。これはファシリテーションをする時に非常に重要な視点となります。また、周りの仲間の個性あるファシリテーションから学びながら、自分がどのようなファシリテーターになりたいかを考えながら、学んでいきましょう!
ふじさき地域デザインLABO 共創アドバイザー 相内さんから「イノベーション・ファシリテーター」と「フューチャーセッション」についての講義
続いて、同じくふじさき地域デザインLABO 共創アドバイザーであるフューチャーセッションズの相内さんから「イノベーション・ファシリテーター」と「フューチャーセッション」を理解するための講義が行われました。
イノベーション・ファシリテーターとはどんな人か?
相内さん)「イノベーション・ファシリテーター」というのは、変革を起こすファシリテーターということです。求められるのは、「みんなが考えたくなる問いをつくる力」。今まで通りではなく、新しい問題の構図をつくっていく。そしてアイデアを出すことだけに留まらず、「多様な人を招き入れる力」を用いて、最後は「行動につなげる力」を発揮しながら、新たなムーブメントを牽引していきます。
フューチャーセッションとは何か?
相内さん)フューチャーセッションは、未来について皆で対話を重ね、参加した人たちの新たな関係性を構築したり、これまでになかったアイデアを生み出すことから、新鮮な活動へとつなげる場です。
一般的なワークショップは、アイデアを出すことだけが目的になっている会も多々ありますが、フューチャーセッションでは、新しいアイデアを実際の行動へと結びつけることにこだわります。そのため、アイデアの質もさることながら、人との関係性を築くことを大切にしてます。新しいアイデアを実現するためには、チームを組む人同士が協調し、行動を重ねていくことが不可欠だからです。
チームをつくる時には「多様な関係者が集まる」という視点も大切です。既存の関係者だけが集まる場では、思考が似通ってしまったり、これまでの延長線でしか未来を想像できなくなってしまったりと言った弊害が起こりがちです。そのため問題の当事者だちだけではなく、これまでは直接の関係者ではなかった人たちもチームのメンバーに招き入れることで、今までになかった視点から未来を想定することができるようになり、活動の幅が拡がると考えています。
フューチャーセッションの体験セッション「ファシリテーターがいる未来」
プロジェクトの説明と講義を終えて、ここからは最上さんのファシリテーションで体験セッションを進めていきました。今日の目的は、フューチャーセッションの基本メソッドを体感することです。体験セッションのテーマは「ファシリテーターがいる未来」と設定して対話を重ねました。これからファシリテーターになる皆さんにうってつけのテーマですね!!!
セッションは、目的の共有後に「私がファシリテーションに期待するものとは?」という問いかけから始まり、「ファシリテーションを通じてどんな社会変革を起こしたいか」、「ファシリテーターが活躍している2030年の未来ではどんなことが起こっているか?」などを対話しました。
参加者からはファシリテーターがいると「安心して意見を言い合える場ができる」、「対立を乗り越えて新しいアイデアを生み出すことができるようになる」、「対話が行き詰った時の助け舟がいると対話が止まらずプロジェクトの進行が容易になる」などの意見が共有され、ファシリテーターという役割の理解を深めると共に、『自分もそうした存在になってまちの未来に貢献したい!』という気持ちが湧いてくる時間となっていた様子でした!
フューチャーセッションの設計
フューチャーセッションを体験した参加者は、DAY01の最後に、『自分たちでセッションを設計すること』にチャレンジしました!
「私は何について対話を深めたいだろう・・?」「考えたくなる問いってどうやって作ったらいいんだろう!?」「この手法と、あの手法ってどう違うんだっけ?」1日でたくさんのインプットがあったため、整理がつかず混乱している方も多く見受けられましたが、みなさん真剣な表情でワークシートの項目を埋めていました。
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藤崎町 未来志向の地域デザインプロジェクト ファシリテーター講座 DAY01はこうしてあっという間に終了を迎えました。
参加者一人ひとりがイノベーション・ファシリテーターとして独り立ちし、自分たちが本当につくりたい未来を、多様な関係者と一緒に考える。そこから新たな関係やアイディアを生み出し、豊かな藤崎町を目指そう!という真剣な空気に満ちた一日目でした。
次回DAY2は、参加者の皆さんが実際に30分のセッションを設計し、ファシリテーターとしてデビューします!
どんなセッションが行われ、どのような学び、触発が起こっていくのか、とても楽しみです!
記:相内洋輔
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