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このストーリーは

プロジェクト 「 江東区をつなぐプロジェクト Phase 1

から投稿されました。
株式会社フジクラ(以下フジクラ)のイノベーションハブ「BRIDGE」で行われている「江東区をつなぐプロジェクト」。その第二回目が開催されました(第一回目の内容はコチラをご覧ください)。

第二回となる今回は、江東区のよりより未来を描くのに欠かせないキーパーソンのひとつである「企業」に注目。街づくりにおける企業の取り組みを紹介しながら、企業と行政と市民がどのような連携を行うことができるのかについての対話が行われました。その様子をレポートします。



多様なセクターでの取り組みを企業も模索中

今回のセッション、その前半の進行を担当するのは、このプロジェクトの事務局を務めるフジクラの森祐起さんです。前回、参加できてなかった方もいらっしゃるため、まずは最初にプロジェクトの概要の説明と、前回のセッションの振り返りを行い、情報を共有しました。


落ち着いた雰囲気の中、セッションがはじまった

ひととおりオープニングを終えた後は、参加者同士をつなげるために、みんながひと言ずつ話すチェックイン。テーブルのメンバー同士で簡単な自己紹介を行ってから、全体でもスピーディに自己紹介を行いました。




チェックインで全員話しておくと、その後に話しやすい空気が生まれる

街の課題解決に企業のポテンシャルは欠かせない

続いて、街づくりに関わる二件の企業事例が共有されました。
一件目は、株式会社竹中工務店 まちづくり戦略室副部長 高浜洋平さんによる「イーストベイ構想」の取り組みについて。
二件目は、株式会社フューチャーセッションズ 加生健太朗さんによる「渋谷をつなげる30人」の取り組みについて、です。


竹中工務店の「東京イーストベイ構想」とは?

竹中工務店は、創業1610年の歴史ある会社です。建築および土木工事に関する請負や設計、監理、開発事業などを手がけており、東京タワーや有楽町マリオンなど、日本を代表する数々のランドマークを手がけてきました。


高浜さんの圧巻のプレゼンテーション

そんな竹中工務店のいま注目していることが街づくりです。建物だけではなく、街全体を描き出すことをコンセプトに、「まち」×「イノベーション」で、MACHInnovation(マチノベーション)を推進しています。そして、その取り組みとして、「水彩都市・江東」を舞台にした「東京イーストベイ構想」を描いているそうです。

水辺の街としての新たな価値を江東区に描き出そうというこの「東京イーストベイ構想」。着々と構想は進んでおり、「ROBOATプロジェクト」「深川川床プロジェクト」「汐浜運河健康緑道プロジェクト」「イーストベイアーバンワイナリープロジェクト」といった複数のプロジェクトが並行して走っています。



実証実験を分かりやすく解説。積み上げた実績は量も質も濃密!

プロジェクトに取り組む姿勢について、高浜さんは、「街には複雑なレイヤー構造がありそれぞれの領域にキーパーソンがいます。そういった多彩な街の人たちと丁寧にコミュニケーションを取りながら取り組むことが大切だと感じています。街のプロジェクトとして、街の人と共創していくのであれば、関係性づくりはおろそかにはできません」と話してくださいました。

フューチャーセッションズの「渋谷をつなげる30人」

株式会社フューチャーセッションズは、創業2012年の若いベンチャーです。事業として企業、行政、市民などが、セクターの壁をこえてつながり合い、新しい未来を創造するための関係づくりの支援を手がけています。


「渋谷をつなげる30人」の資料。おしゃれなデザインも魅力のひとつだ

そんなフューチャーセッションズが2015年にスタートさせたプロジェクトが、「渋谷をつなげる30人」です。
2015年4月、渋谷区の区長に、企業・NPO・行政のすべてのセクターを経験した長谷部健さんが当選しました。長谷部さんは、渋谷区の基本構想を20年ぶりに刷新。「ちがいをちからに変える街。」という構想を新たに打ち出しました。

セクターの壁を越えたつながりから新しい未来を創造する支援を行うフューチャーセッションズのコンセプトと、この渋谷区の構想は重なるところがたくさん。また、フューチャーセッションズが渋谷区にオフィスを構えていることからも渋谷区とフューチャーセッションズは意気投合。「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定」が結ばれ、この「渋谷をつなげる30人」企画がスタートしました。


熱を持ってストーリーを語る加生さん。この熱気も巻き込む力のひとつ

フューチャーセッションズは、この「渋谷をつなげる30人」に参加する渋谷のキーパーソン30名に、異なるセクターをつなげて変革を生み出す、イノベーション・ファシリテーターのトレーニングを行っているそうです。

現在「渋谷をつなげる30人」は、第3期までが終了。90名がイノベーション・ファシリテーターとして成長したことになり、これまでの卒業生同士のつながりからもさまざまなプロジェクトが生み出されているのだそうです。

加生さんは言います。「街の中で、セクターを越えた仲間をつくっているんです。仲間だと話が早い部分ってあるじゃないですか。“これ、ちょっと融通効かせてよ”とか、“ちょっと力貸してよ”って言いやすい。利害を越えたところでつながることが先に立ちながら、ちゃんと利益を生み出せる構造を考えるという流れです。過去や近況を語る同窓生ではなく、“未来を語る、これからを語る仲間”としてのつながりをつくっていくことが大事だと思っています」。


クロストークでは丁寧につながることの大切さが語られた

高浜さんと加生さんによるプレゼンテーションの後には、フジクラの平船さやかさんを交えて3人でクロストーク。
“プロジェクトは社内でどのように評価されているのか”、“プロジェクトを立ち上げるときに苦労した点はどこだったか”、などについての意見交換が行われました。


平船さんがトークをリード。「私が話すと雰囲気が硬くなりがちで…(笑)、みなさんリラックスしてくださいね!」という言葉からスタート


高浜さんも加生さんも、まだまだ話し足りない様子

参加者からの質疑応答の時間も経て、企業、行政、市民の丁寧な関係づくりの大切さが改めて強調される展開となりました。


後半は前半のストーリーをもとにワールドカフェ

セッションの前半の進行は、フジクラの森さんからフューチャーセッションズの上井雄太さんにバトンタッチ。上井さんの明るい進行のもと、ここからはプレゼンテーションで刺激をもらった参加者同士の対話の時間です。


場にポジティブな雰囲気をつくりだしていく上井さんの進行

対話はワールドカフェ形式で進められました。

ワールドカフェのラウンド1で「事例やパネルトークを聞いての感想、気づきのシェア」した後、ラウンド2とラウンド3では席替えをして「企業が地域課題に取り組むにあたって重要なことは?」という問いについてグループごとに対話。参加者同士、さまざまな意見が交換されました。






実践している企業の話を聞いた後だから、イマジネーションが膨らむ。みんなが連携すれば、あんなことも、できるかも!


企業が地域課題に取り組むときに大事にしたいポイントは?

ワールドカフェの後は、ハーベストの時間です。

「企業がこんな風に地域課題に取り組むとうまくいくかも!」という『3つのキーポイント(心構えや座組み等)』は? という問いのものとで、さらにグループで対話を継続。

3つのキーポイントをまとめてもらってから、各グループの代表に発表してもらいました。


発表者5名がずらりとそろい踏み。付箋でいっぱいの人も!


●企業が地域活動に取り組むときに大事にしたい3つのキーポイント

【一人目の発表者】
①建前と本音
②共通言語が必要
③地域へのインターン

「①については、企業にも地域にも、お互いに本音と建て前があることを理解しておかないといけないということ。それを踏まえて上で話をしていく必要がある。②については、たとえばステークホルダーなど、企業では当たり前だけで、地域ではなじまないかもしれない言葉の壁があることをしっておくということ。③については、企業から地域にインターンを出すなどして、地域とつながりやすい形をつくっていってはどうかということ」




●企業が地域活動に取り組むときに大事にしたい3つのキーポイント

【二人目の発表者】
①WIN/WINをつくる!
②キーマンとつながる
③軍資金

「①については、企業と地域では対話が向かう方向が異なっているのかもしれない。まずは双方がハッピーになれるWIN/WINをつくることが必要だということ。②については、地域のキーマンを見つけ出してつながることが大切だということ。③については、何をするにもお金は必要だということです。でも、企業にお金を出せというわけではなく、補助金やクラウドファンディングなどお金の出どころも考える余地があると思います」



●企業が地域活動に取り組むときに大事にしたい3つのキーポイント

【三人目の発表者】
①長期的な視点で関係者全員がメリットを感じられる取り組み
②企業版自治会的取り組みによる理解
③ドレスコードを共有する

「①については、3年後や5年後には実を結んでいる可能性があるというくらい緩やかな活動として取り組むということ。②については、地域の自治会のような形で、その地域の企業同士の連携も、企業版自治会のようなものをつくって促進していくということ。③については、スーツで行くと、お金の話などをイメージしがちなどで、街と付き合うようなドレスコードを意識するということです」




●企業が地域活動に取り組むときに大事にしたい3つのキーポイント

【四人目の発表者】
①他力本願を察知する
②途中から参画できるようにする
③頭を下げる

「①については、たとえば、竹中工務店さんの深川川床プロジェクトのように、地域の人がやってほしいなと思っていたニーズを、うまく掬い取っていくことが大事だということ。②については、ただ、そうやって企業がニーズをすくって企業の力だけでやってしまうと、地域の人はさびしく思うかもしれない。だから、立ち上げの大変なところは企業にやってもらいながら、途中からでも地域が参画できるような立てつけにしておくことが大切。③については、でも、企業も、“地域のみなさんがいたから実現できました。ありがとうございます。”と地域に敬意を払いながらやることが大切だということ」



●企業が地域活動に取り組むときに大事にしたい3つのキーポイント

【五人目の発表者】
①分析→ニーズ ★「江東区」=フルサト、我が街
②自由発想 ★周知
③神輿を担ぐ→和背負い ★人間性×名刺

「①については、やっぱりデータは大切だということ。データに基づいた分析から未来を創造するのがいいと思った。②については、江東区は昔からある下町なので、下町らしさを大事にしたうえで、自由な発想で取り組むのがいいということ。③については、企業人としてではなく、一個人として神輿を担いでいこうということ。名刺ではなく、人と成りで関わっていくことが大事なのではないかと考えました」



最後はみんなで記念写真をパチリ。2回目にして、だんだん打ち解けた雰囲気になってきました!


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