企業・NPO・行政のクロスセクターによるまちづくりプロジェクト「渋谷をつなげる30人」第2期。
参加したメンバーの中には、はじめプロジェクトの全貌がよくわからなかったり、自分に何ができるのか不安に思ったりした人もいたようです。しかし、プロジェクトが進むにつれて、自分がこれまで当たり前と考えていたことを覆すような気づきや、ものの見方の広がりを感じ、最終セッションを終えた今、それぞれが手応えを感じています。
参加したメンバーの内、5人に次の質問に答えてもらいました。
質問1:(参加前)怪しげな渋谷30に参加する前に、感じていたことは?
質問2:(Day1-2に関して)参加して、自分ごとに感じられた瞬間は?
質問3:(Day3-4に関して)クロスセクターチームならではのアイデアが生まれた!という瞬間は?
質問4:(Day5に関して)オープンセッションで、ステークホルダーからもらった最大の気づきは?
質問5:(今後)今感じている、2月8日の最終レポーティングセッション以降の最初のアクションは?
◾️京王電鉄 中嶋英仁さん (プロジェクト: Orange Drinks)
質問1:第1期に同期が参加していたことや、個人として他の行政のまちづくりのイベントに参加していたのでそういった取り組みとそこまでの違いはないのだろうなと思っていました。
質問2:まちづくりのイベントや取り組みは、たいてい社会的意義に共感する人が参画していて、もっと一般の人も参画する仕組みはないのかなと思っている中で、そういった話をチームのみんなで共感できた時は個人としての課題意識が共感できたなと感じました。
質問3:今回のチームでやろうとしていることと重なるのですが、すごくクロスセクターならではのアイデアというのはそこまで感じていないのですが、こういったきっかけ(渋谷30のような)があることでゆるいつながりが増えると、結果、小さいことでも少しずつアイデアが生まれるのだろうなと感じています。
質問4:もともと感じていましたが、普段まちづくりに参画していない人にとっては、社会的意義という大上段の目的よりも、個人としての楽しいがないと参画する理由は見いだせないよなと改めて感じ、そういった仕掛け・仕組み作りを考える必要があるなと感じました。
質問5:会社としては、「ササハタハツ*」のエリアを活性化させていきたいという思いがあり、渋谷30の取り組みをきっかけに「ササハタハツ」のエリア活性のイベントなどを実施していき、エリアの注目度を高めていきたいなと思います。また、個人としての課題感としては、その中で社会的意義に共感する人だけでなく、一般の人が楽しく参加していく仕組みも取り入れていきたいなと思っています。
*ササハタハツ:笹塚、幡ヶ谷、初台の3地域。地元住民、町会、商店会、企業などが集まり、この地域について話し合う渋谷区まちづくり課のプロジェクトが始動している。
◾️みずほ銀行 寺敷崇弘さん (プロジェクト: Orange Drinks)
質問1:唯一の金融機関ということで、何が出来るのか、どのように関われるのか、不安だらけでした。
質問2:チームメンバーとディスカッションしている中で、「みずほ」としてでなく、「個人」としてどうしたいかをメンバーと共有し、取り組むべき課題が見えたとき、自分ごととして感じることが出来ました。
質問3:必ずしもクロスセクターだからというわけではありませんし、パッと思い浮かぶわけでもありませんが、「個人」として様々な経験・考えをもち、「仕事(=業種)」も異なるからこそ、エッジの効いたアイデアが出ているのだと思います。質問4:人とつながる上での最上位概念が個々人(レベル毎)によって違うことに気づく事が出来ました。渋谷の各エリア(渋谷駅周辺、原宿、ササハタハツ)の特性を取り入れ、活かしながら、渋谷民が各エリアを回遊しながら相互に街づくりを高めていくモデルをつくり、ボリュームゾーンであるレベル3*の底上げを行いたいと思います。
質問5:仕掛け・仕組みづくりが必要だと思っています。会社として「明治神宮鎮座100年PJ」を遂行していく上で、誰もが集まりたくなる(参加したくなる)仕掛け・仕組みづくりを考えていきたいと思います。
*レベル3:Orange Drinksプロジェクトでは、イベントやコミュニティへの関心の度合いをレベル1~5で表現。比較的意識の高いレベル4、5の層には入らない、大多数をレベル3としてターゲットとしている。
◾️東急不動産 伊藤秀俊さん (プロジェクト: 資産活用)
質問1:同僚が第一期に参加していたため印象は良かった。
質問2:スタートアップのコミュニティと繋がりを見出だした時。会社でのミッションに重ねて。
質問3:各々の短所を各々の長所で補い融合出来たとき。
質問4:世の中凄い人が多い。やろうと行動を起こし、凄い人を巻き込んで行けば意外となんでもできる。
質問5:まずは実行。まずは実績の積み上げ。ビジョンが崩れなければ机上の空論も現実となって姿を表す。
◾️NTT都市開発 本間久美子さん (プロジェクト: 渋谷D&Iアート・トリエンナーレプロジェクト)
質問1:今後どういう展開になるのか分からないという漠然とした不安とともに、まずは渋谷区に知り合いが増えるといいなという気持ちでした。
質問2:自分自身が感じていた課題に賛同してくれるメンバーがいた瞬間。
質問3:コンテンツと場所、場所と場所をコンテンツがつなげるアイデアが浮かんだ瞬間!
質問4:シビックプライド(この街を誇りに思う!)という気持ちの大切さ。
質問5:チームで東京都及びアーツカウンシル東京が展開している「Tokyo Tokyo FESTIVAL」の企画公募に応募します!
◾️Think the Earth 笹尾実和子さん (プロジェクト: 未来のシゴト図鑑)
質問1:大学も今の勤務地も渋谷区だったため、この場所に愛着があります。渋谷を舞台に何ができるだろう?一体どんな人が集まるんだろう?というわくわくした気持ちでいました。
質問2:渋谷30で集まる時間以外にも、渋谷30で設定した課題に対してめっちゃ考えている自分に気づいた時。笑 渋谷30での議論や参加メンバーたちから、いい刺激をもらった結果だと思います。
質問3:メンバーそれぞれ専門性が違うので、同じことを考えていても目のつけどころが違うことがすごく面白かったです。例えば、大人と子どもの交流イベントを考えている時、メンバーの一人が、イベントを通じて、親以外に頼れる大人の存在をつくってあげたいと言っていました。子どもの居場所をつくっている彼女ならではの視点だなと感心しました。結果、他のメンバーも彼女の想いに賛同し、企画しているイベントは子どもと大人を1対1でマッチングするアイデアを採用することになりました。
質問4:当たり前ですが、立場が違えば、見えている世界は違うこと。そして、相手の立場になって考えたとしても、その人のことを本当に理解することはできない。だからこそ、お互いのことを思いやり、言葉を交わし、意見を伝え合うことが大切だと強く感じました。
質問5:私たちのチームは3月31日に子どもとおとなが1on1で交流し、未来の働き方を考える「未来のシゴト図鑑」というイベントの実施を予定しています。多様な働き方があることを子どもたちに知ってもらうことで、将来の選択肢の幅を広げ、未来にわくわくしてほしい!という想いを込めたイベントです。試行錯誤しながら、まずは1回実施してみて、その次のステップを考えていきたいと思っています。