【西日本新聞】戦後70年を語り合う ワールド・カフェ
セッションの目的
1945年の終戦から今年で70年。戦争をじかに経験
インフォメーション
- 開催日時
-
2015/06/13 (土)
10:00 ~ 12:00 - 応募締切日時
- 2015/06/13 (土) 10:00
- 会場名
- 西日本新聞社 10階2号会議室
- 住所
- 福岡市中央区天神1丁目4-1
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- 定員
- 40 人
- 参加費
- 無料
- 備考
【お問い合わせ】
◆西日本新聞社 企画開発部 ニュースカフェ事務局
◆電 話: 092-711-5430
◆FAX : 092-711-0473
◆メール: social@nishinippon-ne.jp- 主催者
西日本新聞社ニュースカフェ事務局
対象者
戦争体験者の方々の声に寄り添ってみたい方、対話の意味を感じてみたい方、ぜひご参加ください。
詳細説明
◆日 時: 2015年6月13日( 土) 10:00~12:00
◆会 場: 西日本新聞社 10階2号会議室
(福岡市中央区天神1丁目4-1)
◆内 容: 本紙特集 戦後70年「証言をつなぐ」をもとにしたワー
◆ファシリテーター: 山口 覚さん
NPO 法人地域交流センター理事、津屋崎ブランチ代表。LOC
【戦後70年へー証言をつなぐ】
http://www.nishinippon.co.jp/special/postwar/2014/
【Facebookイベントページ】
https://www.facebook.com/events/1434499240185692/
【戦後70年を語り合う ワールド・カフェ】
1945年の終戦から今年で70年。戦争をじかに経験した「生きた証人」の方々は高齢に達し、惨禍の記憶は失われつつあります。西日本新聞では「戦争世代の証言」を2014年から募集し、特集「証言をつなぐ」を続けてきました。今回、その「生きた証人」の証言記事をもとに、参加者が語り合う場として「戦後70年を語り合うワールドカフェ」を行いました。
今回のワールドカフェのファシリテーターは山口覚さん。ファシリテーターとしての目線でのレポートです。
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今回は西日本新聞が主催となり「証言をつなぐ」という聞連載と連動した企画。このようなテーマで新聞社主催で対話形式の企画がされたのは歴史に点を打ったのではないかと感じます。
何かにつけて、右寄りだとか左寄りだとかの色付けをされかねない社会。そんな中、落としどころをつくった有識者によるパネルディスカッションなどではなく、参加者全員で戦後70年について語り合う場を設けるのは勇気のいる事だったに違いありません。どっちの方向を向いて話が進むか分かりませんからね。きっと同様に参加者も不安はあったでしょう。
そんな中、賛成だとか反対だとか、右だとか左だとか、そんな話を横においた上で、記事中の戦争の体験者の言葉から自分自身は何を感じるのか、そして自分以外の人が何を語るかについて耳を澄ませ合う場をつくりたいと、主催者も僕も考えていました。
それゆえに場の設えと言葉を選びにはかなりの気を使って進めました。
対話(ダイアログ)と討論(ディベート)は異なること、私たちは義務教育の中で話し合いの方法を学んでおらず、放っておくと討論になってしまうことなどを説明。
さらに対話の具体的なルールとして、自分だけが正しいと思わないこと、人の話を否定しないこと、言葉は全員の共有物である事、なぜ考え方の違いが起きるのかを観察すること、それでも自分の意見に固執したいときには、そう思いたくなる自分の過去の経験を顧てみること・・・。
自分の言葉を自分から切り離し、自分の言葉も相手の言葉も同等に扱い全員の共有物だと思って眺めていると新しい考えが生まれてくる事。
そんな事を説明しました。
参加者は10代から50代までが多数参加。年齢によるヒエラルキー(年上の人が年下の人に対して持論を滔々と述べること)を避けるため、世代によってグループを分けてワールドカフェをスタートさせました。
途中でフィッシュボールという手法も挟み込みました。話しの途中経過を相互に選出した6名が、会場の真ん中に座り、それまでの話し合いで感じたことを話し合い、それをみんなで耳を澄ませて聴きます。
こうして、世代も価値観も違うもの同士が意見を交わしあい、あっという間に2時間が過ぎました。
印象に残った言葉があります。
大学生が言いました。
「20代にとって戦争はあまりに実生活とかけ離れていて想像がつきません。もし徴兵があったら真っ先に行く対象であろうに」
記者の一人が言いました。
「インタビューをしていると、こんなこと言っても分からないでしょうね、と何度も言われました。その意味を考えます」
知識だけではなぜリアルな想像に辿り着かないのだろう?
新しい問いが生まれました。
戦争体験者は僅かとなっています。もはや私たちのほとんどが2次情報、3次情報でしか戦争を振り返る事しかできない中で、過去の事ももちろん、未来の事を想像することは容易ではないでしょう。
経験をしていない事に対しては特に、間接的な情報だけ、あるいは一つの価値観だけで結論を急ぐのではなく、相互に認め合い、何度も何度も対話を繰り返し、相互に想像力を高め続けることを日常的に行っていく事の重要性を改めて感じる時間でした。