働いていない時間のデザイン 〜ザンギョウからサンギョウへ
Mission
問いかけ:働き方改革で生まれる時間を日本全国で、どう活かしますか?
働いていない時間のデザインが、まちや産業を大きく変えます。働いてない時間をどうデザインするか?
それは、働き方のデザインでもあり、地域活性化でもあるのです。
- 必ず起きる未来:会社で働く時間が減る
- 不確実性の高い未来:新たに生まれた時間は、自宅で過ごす時間を増やすのか、それともサードプレイスやコミュニティでの活動時間を増やすのか?
セッション後につくりたい状態は、ビジネス企画が複数生まれていること。何かやりたいと思って、小さなアクションをする人が出てくること(3種類のアクション:社員の実践、経営の制度、サービスの実現)。
登壇ゲスト:
日本残業協会 会長 藤橋 遼さん
インフォメーション
- 開催日時
-
2016-06-23 (Thu)
19:00 ~ 21:30 - 応募締切日時
- 2016-06-23 (Thu) 21:30
- 会場名
- KIT虎ノ門大学院イノベーションマネジメント研究科
- 住所
- 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル11階
- > google mapで表示
- 定員
- 80 人
- 参加費
- 無料
- 主催者
野村恭彦(KIT虎ノ門大学院教授)
KIT Future Session Network:KIT虎ノ門大学院のイノベーションファシリテーション特論1/2の授業を受けた社会人学生たちによる、自主的なフューチャーセッション活動母体。
メンバー
企画メンバー 2
Participation
ステークホルダー:
当事者:経営者、5時から男、24時間働けますか社員、人事部門、家族、介護、子育て
新しい当事者:飲食、不動産、鉄道、学校、習い事系、TV、コンサート、劇場、スポーツジム、飲料メーカー、ショッピング、図書館、お祭、坐禅、パブ、プロボノ、美術館、日本残業協会、ワークライフバランス
Description
テーマの背景:
政府が働き方改革を出し、残業を減らそうという動きは、各企業で広がっています。また、場所や時間にとらわれない働き方や複数の職業を持つことも広がっています。技術的にも可能な環境が整ってきました。
その一方で、帰れない理由はたくさんあるのが実情です。日本残業協会では、「無駄な残業」と「無駄でない残業」があるとして、単純に残業を減らすというのではなく、モチベーションや仕事効率を上げることを目的とし、「無駄な残業をなくすためのノウハウ」を発信するという新しい視点を示しています。
上司が帰らせてくれない、仕事が大好き、生活するうえで残業代が必要、帰ってもさみしいなど、そのような「帰れない理由」に焦点を当てるのではなく、働き方が変わる未来にこんなのがあったらいいな!と思うサードプレイスを自ら作り出し、自由な時間をみんなが自由に使えて、幸せでイキイキとしたな生活が送れる。そんな新しい視点を生み出せないでしょうか、フューチャーセッションで。
テーマに関する想い:
無駄な残業で疲弊してしまうのではなく、趣味に没頭したり、自己投資をしたり、新たな交流を求めたりと、自分らしくいられる時間が増える日本社会が生まれないだろうか。そして、もっと前向きに働きたい人たちにとって、活躍の場や選択肢が増える未来を作れないだろうか。
これらのような自ら投資したくなるような新たなビジネスやサービスを、このフューチャーセッションで生み出しましょう!
KITフューチャーセッションネットワークが主催する、
「働いていない時間のデザイン -ザンギョウからサンギョウへ-」を開催しました。
当日は19時開始のスケジュールでしたが、皆さん残業せず参加してくださり、
隣の虎ノ門ヒルズのオフィスエリアの窓に所々こうこうと明かりが点いているのを横目に、
このセッションはスタートしました。
今回のゲストは日本残業協会の藤橋遼さんとK.I.T.虎ノ門大学院の野村恭彦教授。
藤橋さんからは、日本残業協会をはじめとした活動のご紹介から、
残業とは、残業の新たな考え方、残業から生まれるサービスへの展望についてお話しいただきました。
また、野村教授からは、渋谷区を舞台としたまちづくりのイノベーティブな取り組みについてお話しいただきました。
ゲストトークからはじまり、ワールドカフェ、マグネットテーブルなどのセッションを重ねることで、
今まではよく考えたことがない、なんとなくよくないものかなというイメージでとらえていた残業が、
残業とは何か、残業には種類があるという理解、そして周りの残業に自分事でどうかかわっていけばよいかという思考の変化が
参加者の皆さんの中で生じていた様子でした。
6つのグループがプロトタイプしたアイディアは、
残業を楽しくすること・残業そのものを減らすこと・残業を減らして生まれる時間に取り組むこと、と
本当に多種多様でした。
しかし、自治体や複数企業など、だれかと共同することによって実現されるアイディアだったということが共通点でした。
これらのアイディアが日本残業協会のような活動や、ナイト・タイム・エコノミーと呼ばれる考え方の推進などに支えられ、
残業を取り巻くビジネスやサービスとして実現する日はもう間もなくなのかもしれませんね。
■□■今回のフューチャーセッションの詳細■□■
1:イントロダクション
- 実施の背景(働き方改革についてなど)
- 本日のテーマ(問い)
- チェックイン:ペア対話「ここ1週間の残業について」
まずは今回のフューチャーセッションのテーマについて、背景についてファシリテーターから解説しました。
政府の働き方改革で確実に残業時間が減る未来が訪れます。また、働き方そのものやそれをサポートする技術も増えてきました。
これらのような世の中の「ザンギョウ」の変化により、あらたな「サンギョウ」を生むことができないだろうか。
というのが実施の背景です。
その後、テーブルごとにペアになっていただき、ここ一週間の残業について対話をしました。
対話を聞いていると普段は残業しないという方も複数お越しいただいていたようでした。
2:ゲストトーク
-
日本残業協会 会長 藤橋 遼さん :「残業」という概念を問い直す。
http://zangyou-kyoukai.com/
-
KIT虎ノ門大学院 教授 野村恭彦さん :働き方の変化、まちづくりの視点から
https://www.ourfutures.net/groups/84
藤橋さんは、ご自身の過去の残業体験から日本残業協会を設立。各種メディアに取り上げられたり、
最近はAbemaTVで放送を開始するなど、多方面で活躍中の人気上昇中の団体です。
藤橋さんからは、そもそも残業ってなんだっけという根本的なことからお話しいただけたことで、
参加者全員の意識が揃い、より自分事で残業を考えるきっかけを作っていただきました。
また、野村教授からは、渋谷区の「渋谷4.0」の取り組み事例をご紹介。
行政・企業・NPOという3つのセクター横断で実施されるソーシャルデザインへの取り組みの実例が、
その後のワールドカフェのアイディアの幅を広げる大事なヒントとなりました。
3:ワールドカフェ
- 無駄な残業を減らすことによって生まれる「新たな機会」を考える
- 無駄でない残業を認め、楽しく生産性をあげるポジティブなアイディアを考える
- 上記を踏まえ、どんなビジネスの機会があるかを考える
以上の3つのテーマについて対話をしました。
無駄な残業が減ることによって生まれるのは時間だけなのかというようなことや、
何が課題なのかなど、テーブルそれぞれの参加者の想いの共有が図られました。
4:マグネットテーブル
ワールドカフェの対話をもとに、「残業をテーマに自分がやりたい事・あったらうれしいサービス」を考え
それをA4用紙に書き、マグネットテーブルを実施。結果、6つのグループができました。
5:プロトタイピング(試作)
グループ内で持ち寄ったアイディアを選んでつなげて新しいアイディアを生み出します。
今回は「未来新聞の作成」という形でアウトプットを表現しました。
6:プレゼンテーション
- 残業の効率を上げる「ちょい食べチケット」が大人気!アプリも展開。(株)ちょ が一部上場!
- ジョブマッチングサービスの(株)ジョブシェア が残業を減らし生産性を上げ、シニアや学生を巻き込み新たなビジネスを創出!
- 残業ポイント制によって、ある飲食業企業も大改革。日本企業が生産性世界一に!海外からも驚きと称賛の声が!
- 建物内の空室を共用スペースとしてリノベーションし、昼夜で異なる使用方法を実現する「夜の長屋化」!
- 台東区がミーティングバス・ミーティングクルーズを展開!多様な手段で活用でき、地域活性にも区民満足度向上にも貢献!
- 企業・個人・地域がつながりムダ残ポイント制度によって減る残業・増える生産性。日本の残業を変えた「楽ZAN」!
7:サークル(アクション宣言)
それぞれの考え方の変化や、明日からの組織内での行動や考え方を変えたいという思い、
プロトタイプされたアイディアをぜひビジネスとして実現したいという宣言、
今回プロトタイプに至らなかったアイディアの実現への決意表明など、
様々な宣言が参加者の皆さんから出されました。
遅くまで皆さんありがとうございました。
今回のセッションが今までになかった働き方への新たなアプローチとなり、
参加者のみなさんそれぞれのエレガントで小さな一歩が日本の経済・日本の未来を変えることになると考えます。
また今後もフューチャーセッションを開催しますのでまたお会いできることを楽しみにしております。
■□■ファシリテーター■□■
松木知徳(まつきとものり):リクルートマネジメントソリューションズ
赤堀絵里奈(あかほりえりな):知的財産教育協会
※ともにKITフューチャーセッションネットワーク所属
■□■運営団体■□■
KITフューチャーセッションネットワーク
金沢工業大学K.I.T.虎ノ門大学院の講義「イノベーション・ファシリテーション特論1・2」の受講者・修了者からなる
フューチャーセッションを実施する有志の団体。
日本のイノベーションのあり方を変えることをミッションとして活動。
フューチャーセッションの開催により"Joy of Innovation"を広めている。
https://www.facebook.com/kit.fsn/
(2016年6月27日 文責:赤堀絵里奈)