「第二回復興ダイアログ」~企業・行政・NPO・市民で未来を創る対話会~参加者募集のお知らせ
セッションの目的
▼企画概要
東日本大震災から6年、復旧、復興の過程で生まれた「企業」×「NPO」×「行政」×「市民」の新しい連携と関係性は、マルチステークホルダーの共創活動であり、新たな価値の創造だといえます。復旧、復興のために行った共創の事例をテーマに、これからの未来アクションを生み出すためのダイアログ(対話会)を開催します。
本ダイアログ実施のきっかけは、2016年に実施した「東京ダイアログ2016」となります。東京ダイアログを通じて、企業とNPO、行政の情報共有の場となり、参加企業数社間での被災地支援に関わるプロジェクトが生まれました。今年度は全3回を予定し、ダイアログを通じた新たな共創アクション、そして「復興創生モデル」を生み出したいと考えています。
本ダイアログ実施のきっかけは、2016年に実施した「東京ダイアログ2016」となります。東京ダイアログを通じて、企業とNPO、行政の情報共有の場となり、参加企業数社間での被災地支援に関わるプロジェクトが生まれました。今年度は全3回を予定し、ダイアログを通じた新たな共創アクション、そして「復興創生モデル」を生み出したいと考えています。
▼9月21日(木)
Fw:東北Weekly「復興ダイアログ~企業・行政・NPO・市民で未来を創る対話会(2)」@LODGE(Yahoo!JAPANのコワーキングスペース)
▼10月~11月(予定)
Fw:東北Weekly「復興ダイアログ~企業・行政・NPO・市民で未来を創る対話会(3)」@LODGE(Yahoo!JAPANのコワーキングスペース)
Fw:東北Weekly「復興ダイアログ~企業・行政・NPO・市民で未来を創る対話会(3)」@LODGE(Yahoo!JAPANのコワーキングスペース)
第二回復興ダイアログは下記の通りとなります。
▼日時:2017年9月21日(木) 14:00-17:00(開場13:30)
▼会場:YAHOO!ロッジ
(東京都 千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 ヤフー株式会社)
※YAHOO!ロッジのエントランスで案内スタッフが待機しております。
※会場への直接のお問い合わせはご遠慮下さい
▼定員:30名(要事前申込)
▼参加費:無料
▼参加申込:以下URLよりお申し込みください。
https://goo.gl/FYqss4
▼申し込み締め切り 9月19日(火)12:00
▼主催:復興庁
▼企画運営:NECソリューションイノベータ(受託事業者)
開催終了
インフォメーション
- 開催日時
-
2017/09/21 (木)
14:00 ~ 17:00 - 応募締切日時
- 2017/09/19 (火) 12:00
- 会場名
- YAHOO!ロッジ
- 住所
- 東京都 千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 ヤフー株式会社
- > google mapで表示
- 定員
- 30 人
- 参加費
- 無料
- 備考
▼参加申込:以下URLよりお申し込みください。
https://goo.gl/FYqss4▼申し込み締め切り
9月19日(火)12:00- 主催者
- ▼主催:復興庁▼企画運営:NECソリューションイノベータ(受託事業者)▼協力:オフィスBeni、336ネットワーク
対象者
- セクターを超えたソーシャルアクションに関心がある人
- クリエイティブな方法で問題解決に取り組んでいる人
- 企業でCSR・CSR・新事業に取り組まれている人
- 市民協働などに取り組んでいる行政、市民の人
- 社会起業家、NPOなど、問題解決に取り組んでいる人
- 東北から生まれる挑戦や共創に関心のある人
- その他、本イベントのテーマに関心のある人
詳細説明
▼プログラム(予定)
第一回復興ダイアログでは、「東北復興に向けて共創できること」をテーマにアイデアを創出しました。第一回復興ダイアログを終え、参加者の発表から共創を通じたアクションを行うためには「共創するための環境づくり」がキーワードであることがわかった。第二回ダイアログは「共創するための環境作り」をテーマに、参加者が考えてくれたアイデア「子供と考える未来の職」・「セクターを超えた働き方(兼業・副業)」「オープンコミュニティ(産業創出)」「東北らしい地域活性」の実現に向けて、さらに深堀し、アクションにつなげていくためのダイアログを行いたいと思います。
◆14:00-14:30 開会挨拶(共創力で進む東北プロジェクト説明)
◆14:30-16:55 イノベータ・アクションの考えるダイアログ
◆16:55-17:00 閉会挨拶
◆17:00-17:30 交流タイム(任意)
※「共創力で進む東北プロジェクト」について
復興庁では、今年度「共創イベントを通じた情報発信ソリューション構築事業」として、東北から10件の地域課題のニーズを募り、それぞれに対し、アイデアソン・ハッカソンなどの共創イベントを全国で展開し、多様な地域・分野の人々との共創による課題解決のモデルづくりを進めます。「共創力で進む東北プロジェクト」は、それらの活動の通称となります。
※「FW:東北Weekly」について
「共創力で進む東北プロジェクト」では、東北で様々なテーマを掲げて行われている活動や、それらに取り組む人々にフォーカスを当て、認知向上や共創の輪を広げる活動として、「FW:東北Weekly」と称した各種イベントを、東京で多数展開(年間30本程度を予定)します。
本イベントは、平成29年度復興庁「共創イベントを通じた情報発信ソリューション構築事業」にて実施するものです。
■セクターの枠を超えて、社会課題の解決を目指す
東日本大震災から6年半。復旧・復興の活動の中で、企業、政府・行政、NPO・市民団体などのセクターを超えて共創する事例がたくさん生まれました。このような事例を参考に、「ダイアログ(対話)」を通して「テーマ」を深掘りし、お互いの共創活動につなげ、これまで解決が難しかった、社会課題の解決に向けたアクションや、セクター同士が連携する仕組みを未来志向で考えるのが「復興ダイアログ」です。
昨年行われた「東京ダイアログ2016」において、企業とNPOの対話会を実現。さらに、継続して企業とNPOが未来を語り合う場を儲けようという声が上がり、「共創力で進む東北プロジェクト<Fw:東北>」のイベントの1つとして、「復興ダイアログ」がスタートしました。今回は8月に続く第二回目の開催となります。
「共創力で進む東北プロジェクト」
■9月21日、Yahoo! LODGEにさまざまな参加者が集う
「第二回 復興ダイアログ」は2017年9月21日、東京・赤坂見附にあるYahoo!ロッジにて開催されました。Yahoo!ロッジはオープンコワーキングスペースとして開設され、まさに共創について対話するのにふさわしい場となっています。
活動に賛同する企業の方や、さまざまなNPOの方々、そしてIT系ベンチャー企業の代表の方など、立場の異なる方たち約20名が集まりました。
まずはファシリテーターを務める、NECソリューションイノベータ株式会社(事務局)星野光一さんから、本ダイアログの開催の経緯、目的、そして本日のゴールである「参加者で対話を楽しむ」「ワクワクしたアイデアを出し合う」「実現の可能性を見つける」が説明された後、Fw:東北の応援キャラクターである女優のんさんのビデオメッセージが紹介されました。
続いて、同社の八尋美徳さんが登壇、第一回と同様に「共創力で進む東北プロジェクト」の紹介がありました。前回紹介した、岩手県宮古市、宮城県気仙沼での事例に加え、今回の第二回復興ダイアログ直前に行われた福島県での取り組み、「リアルタイム流通で農産物を繋ぐ ICT 地域商社事業」の事例も紹介。いずれの回も、高校生たちがアイデア出しや意見交換などで大きな役割を果たしたということが紹介されました。
■第一回復興ダイアログの振り返り
続いて星野さんから、第一回復興ダイアログの振り返りとして、「2030年の未来をイメージした未来新聞」5紙が紹介され、前回参加された方から概要の説明がありました。
1) みんなの村旋風が巻き起こる
2) ついに!セクターを超えた人材交流システム実現
3) 福島にインキュベーション王国設立宣言
4) もうかる地域活性化
5) ワクワク!東北!ヒトヒト!いっぱい
(詳細は前回レポート参照)
そして、第二回復興ダイアログのテーマは、「持続可能な仕組み」を前提とした「共創するための環境づくり」と発表されました。前回のアウトプット、つまり未来新聞を元に、その実現に向けて共創に必要なモノ・コトを考えて行くのが今回のゴールとなります。
まずはダイアログのヒントになるように、お二人の方がインスピレーショントークを行います。
■インスピレーショントーク1 ~災害リスクを最小限に抑えるためのマルチセクター恊働の取り組み~
まずは、特定非営利活動法人CWS Japan事務局長の小美野剛さんが登壇しました。小美野さんが取り組む「MIRAI」プロジェクトについて話します。
「MIRAIはMulti-sectional Initiative for Research , Action, and Impactの頭文字で、マルチセクターの力を結集するための仕組み作りを目指す構想です。きっかけは、日本国内の各セクター、つまりアカデミア、企業、NGOや政府を見渡した時に、各セクターは質が高く、スキルもあり、人材などのリソースもあり、これらを結集して異なる強みを結集すれば、強力な力を発揮できるにもかかわらず、これらをまとめて1つのインパクトに結びつける仕組みがない、ということを認識したことでした。恊働のためには、各セクターの障壁が高く、これを取り除く仕組みがなかなかないというのが現状の課題です」(小美野さん)
今日の「復興ダイアログ」は、共創が実現されていてまさに「MIRAI」が目指す形、と語る小美野さん。話を続けます。
「今年の11月に仙台で世界防災フォーラム/防災ダボス会議が開催されますが、そこで1つの発表を行います。私が事務局の防災・減災日本CSOネットワーク(JCC-DRR)、理事を務めているアジア減災防災対応ネットワーク、そして東北大学、日本学術会議、慶應義塾大学SFC、そしてわれわれの活動に賛同してくださっている企業さんと共に、防災の視点からの共創についてのパネルディスカッションを行います」
現代において、防災におけるマルチセクターの必要性は大きいと小美野さんはいいます。
「この背景には、気候変動の影響による、全世界レベルで災害が多発していることがあります。2005年から2015年の10年間、全世界で被災した人は年平均で2億人でした。ところが、昨年(2016年)1年では4億人、その多くがインドの人でした。ある予測によると、20~30年後には、年間20億人が水害にリスクに直面するともいわれています。」
「また、世界では30以上の国・地域で紛争があり、7000万人もの難民、避難民がでており、第二次世界大戦後最大の人道危機であるといわれています。7000万人というと、フランスやイタリアの人口よりも多く、いかに多くの人が厳しい状況に立たされているかということがわかります」
一見、なんのつながりもないように見える、災害と紛争ですが、これらは切っても切り離せないものになりつつあると小美野さんはいいます。
「2016年のG7会議で、『気候脆弱性』という言葉がフォーカスされました。気候変動による災害が、他のリスクに飛び火していくという考え方です。例えば、干ばつをきっかけに発生した食糧価格の高騰が政情不安定を招く。これはシリアの例ですね。また、洪水→水質汚染→病気の増加→医療費の負担増→貧困という流れや、現在のメキシコのように地震→インフラダメージ→行政機能の圧迫というようなリスクの連鎖もあります。つまり、災害が開発効果を取り除いてしまうわけです。
ここまで来ると、1つのセクターだけで災害リスクを減らすということは無理であり、マルチセクターによる取り組みが重要となってくるのです」。
MIRAI構想資料より
「MIRAI構想では、市民社会、アカデミア、政府、そして企業がセクターを超えて協働することにより、将来起こりうるリスクを見据えた削減行動や、想定できるリスクへの早期対応できる仕組みづくりを目指しています。このようなイノベーションを進めるためには、いろいろなセクターの人たちと、さまざまな議論を深めていく必要があると考えています。
組織の形として『仕組化』がいいのか『ムーブメント』がいいのか、資金面では『ファンド』を組むのがいいのか、『オープンプラットフォーム』型で進めるのがいいのか、考え方のまとめ方として『モデレーテッド』の形がいいのか『自由発想』の形がいいのか、11月の防災ダボス会議でのMIRAIセッションで議論を深めていきたいと考えています」
■インスピレーショントーク2 ~地域の課題解決を金融からアプローチ
続いての登壇者は、株式会社FVCP プロジェクトマネージャーの山中資久(たすく)さん(※1)です。山中さんは親会社であるフューチャーベンチャーキャピタル株式会社から出向しているのですが、、親会社では地域における創業を支援するためのファンド事業をメインで行っています。
「私は共創の場をつくるために金融の仕組みを活用する、ということを提案しています。ソーシャルイノベーションの領域にある大きな課題として、資金調達力の弱さということが言えると思います。例えば、地域にあるリソースを活用して新たな事業を起こそうと考えている人がいたとします。その人の周りにいる応援・支援しようとする人材と、事業初期段階で試作品づくりや原料の仕入れなどに必要な少額の資金があれば新しいことを作り出すことができるのですが、その資金調達が意外と困難で、事業ができないということがたくさんあります。フューチャーベンチャーキャピタルはそういう人材を支援するため、各地域の金融機関や地元企業と共にファンドを作っています。現在、地方創生ファンドは、北は岩手から、西は岡山までのエリアで13ものファンドを数えるに至っています」(山中さん)。
ここで事例として、山中さんは「400億→300億」という数字をスクリーンに映し出します。なんの数字でしょうか。
「この数字は、青森県弘前市、弘前市だけのりんご産業の事業規模の数字です。これからの10年で、100億円も規模が縮小していくと予想されています。この背景には、高齢化に伴う耕作放棄や人材不足などがあり、市としても税収減や雇用減、若者の市外への流失などにつながるとして、非常に危機感を持っている状況です。そこでフューチャーベンチャーキャピタルでは、市や地元金融機関、企業などと組んで「りんご産業イノベーション」のファンド構想を立ち上げ、リンゴ産業の振興に取り組んでいきたいと考えています。
ここでのポイントは、りんごを利用した新たな産業イノベーションに投資していこうと考えていることです。単に資金面の支援だけでなく、大手企業のノウハウや技術を取り入れて、新たな商品作りや生産用の機器の開発を行うといったことまで、幅広い支援を目指しているのが特徴です。例えば、高齢化に対応した専用農具をメーカーと共同開発したり、大手飲料メーカーと組んで、りんごの新しい飲料を開発したり、といったことも想定しています。数年後には、これらの取り組みからスピンアウトして新規事業として立ち上がるものも出てくる見込みです。このように、単に新規事業に投資するだけではなく、そのための周辺技術や環境までサポートするのがプロジェクト特徴と言えるでしょう」
続いて山中さんは、もう一つの事例を紹介します。それは日本ではあまりなじみのない、社会課題を解決するためのファンド「おおさか社会課題解決ファンド」です。
「おおさか社会問題ファンドは、大阪府、大阪信用金庫、フューチャーベンチャーキャピタル、そして日本政策金融金庫がコラボレーションしてできたファンドです。この取り組みは大阪エリアにおける行政課題・地域課題を解決する事業者に対して投資するファンドで、事業をする人たちの資金面を支えています。私たちの投資方法としては、議決権を持たない種類株を発行してもらい、それをファンドで購入する形で資金を入れさせてもらっています。」
個人的には、将来はNPO/NGO、一般社団法人などの団体に対しても出資・融資して、収益を戻してもらうという仕組みづくりを目指しているとのことこのような形で、資金を調達する仕組みを通して、地域の課題解決を実現する支援を今後も積極的に続けていきたいと考えています。
■復興ダイアログ恒例のペア対話によるウォーミングアップ
ここから、いよいよ参加者全員のダイアログに移ります。ファシリテーターの星野さんから5つのルールについて説明がありました。
1. 対話をしよう(お互いの意識の違いを理解しよう)
2.主語は自分(私はどう思う?どうしたい?)
3.協働・共創(参加者全員で創りだす)
4.守秘義務(秘密リクエストは伝える、守る)
5.楽しむ(つながりや新しい価値は楽しい場から生まれる)
「この5つをふまえて、隣にいる人と、自己紹介、そしてインスピレーショントークについてお互いの意見交換を、1人2分ずつでやってみてください」と星野さんはアナウンス。いよいよダイアログのスタートです。
それまで、登壇者の声だけだった会場が、あちらこちらから聞こえてくる会話で一気ににぎやかに。計4分間のペア対話で、場はすっかり温まりました。
■第一回の未来新聞を実現するためのディスカッション
休憩をはさみ、いよいよグループでのダイアログが始まります。
先ほど紹介された第一回ダイアログの未来新聞のテーマのうち、
・ついに!セクターを超えた人材交流システム
・もうかる地域活性化
・みんなの村旋風が巻き起こる
・ワクワク!東北!ヒトヒト!いっぱい
の4つのテーマについて、ワールドカフェ形式(メンバーの組み合わせを変えながら、自由に議論する形式)で行います。
1つのテーマに3~4人のグループで、
(1)本テーマにとって大切なことは?
(2)実現するために不足しているものは何か
(3)エレガントでミニマムな一歩
という3つのステップで進めることが星野さんから紹介されます。
それぞれ15分で話し合い、5分でまとめを行い、各テーマのファシリテーター以外は、ステップごとに別グループに移動するもよし、深掘りしたければ残るもよしという形で、議論を進めていきました。
時に白熱し、時に笑いも起こる。参加者の皆さんはダイアログを楽しみながらディスカッションを進めていきました。
■いよいよ発表!
3つのセッションを終え、休憩をはさんだ後に、いよいよ各テーマの発表です。
(1)ついに!セクターを超えた人材交流システムの実現
「まず課題設定として、セクターを越えるのが難しいという点にフォーカスをあてました。セクター間の壁を越えるためには『チャレンジする人』や『アイデアを持つ人』と、『お金を出す人』『サポートをする人』をつなぎ合わせる役割をもった『人』と、この人たちをかき回して、つなぎ合わせる『場』が必要であると考えました。
また、ボランティアなどに参加したいという意思があっても参加できない人たちには、『仕事の壁(仕事があるので参加できない)』『住まいの壁(距離が遠い)』『関わるチャンスが見えない』という3つの壁があり、この壁を乗り越えるためには、課題やリソースをもっている人が情報発信したり、積極的にこのような情報を集めてシェアしたりする人が必要であると考えました。
このような課題を解決するためには『ビジネスとして成立すること』を認識させるという事も大切であると結論づけました。ボランティア参加などの個の意思を、会社の活動として大きな動きとしていくためには、理由付けが必要ということです。具体的には、『5~10年後には儲かる』『新規事業になる』「新技術が開発できる」などのビジネスを生み出すようなテーマ軸にもっていき、それを創発させる場を作るということが大切である、ということです。
もう一つ、セクターを越えるために『3枚の名刺を持つ』ということも大切である、とも考えました。本業の他に、活動費用を集めるための役割、例えば公的セクターの肩書、そして活動現場での肩書などを持つことで、セクターを越えるための活動理由としての源泉になるのではないか、という結論に達しました。」
(2)もうかる地域活性化-こどもが未来の仕事を大人と作る
「このテーマにおいて困難なことは、お金、リソース、情報不足、そして大人と子供の対話がないことだと考えました。特に大人と子供の対話は、非常に重要なことですが、現状は非常に狭い中でのコミュニケーションしかありません。そこで、この課題を解決するためには、親子や、祖父母、そしてまわりの社会の人達など、学校以外のつながりの場をつくり、コミュニケーションを促進することが大切であると考えました。また、子供たちの活動や考え、教育の情報などを大人たちが見て気づくことも大切で、そのために、今はまだほとんどない『キッズオープンデータ』をたくさん作っていくことも重要であると考えました。これらを通して、社会として必要な仕事について、大人と子供が一緒に考えていく場作りが大切という結論になりました。
そのためには、キッズオープンデータを始めとした情報のシェアが重要です。今後、スポーツ活動などを通してさまざまなコミュニティの交流が促進されるのではと期待しています」
(3)みんなの村旋風が巻き起こる
「みんなの村は世代を超えたコミュニティを目指していて、これを実現するキーワードとしては、あらゆる世代や業種・ポジションの人たちが教え合う『自由な教育』、そしてみんなが自由に『活動を発信・受信』することが大切だと考えました。
これらを実現するには、コミュニティ、つまり『共有の場』と、『情報コンシェルジュ』の存在が必要です。『共有の場』は、用事がなくてもいられる場所で、集まった人たちが自発的に課題を出したり、その解決案を考えたりと、お互いに助け合える場です。そして『情報コンシェルジュ』はそのコミュニティづくり支援し、情報発信を助ける役割を持つ人です。
その第1歩として、情報コンシェルジュに奮闘してもらいつつ、コミュニティの場作りを進めるのが解決策と考えました」
(4)ワクワク!東北!ヒトヒト!いっぱい
「エレガントでミニマムな一歩として、私たちは『ワイナリーツアー』を提案します。実は、岩手にはワイナリーがたくさんありますが、ほとんど知られていません。東北には、他の地域から見るとこのような魅力があるのに、地元の人達はそれを自覚していないのと、アピールが苦手であることが課題だと考えました。
そこで、『ワクワク』の1つである『食』にフォーカスし、ワイナリーめぐりをしながら、ワインと合う東北の味を見つけるというツアー企画を考えました。ツアーにはライターが同行して、地元の人達が苦手な情報発信をしっかり行うことで、他の地域に知ってもらいつつ、地元の人達にも魅力を再認識してもらえればと考えました。
また、東北と、それ以外の町の『交換ツアー』などもアイデアとして出ました。お互いにそれまで縁のなかった町を訪問しあい、それぞれの魅力を褒め合うという企画で、共創というテーマにふさわしいアイデアだと思います。ディスカッションしている中で、ワイナリーツアーは私たち自身がワクワクして、とても行きたくなってしまいました(笑)」
すべてのグループの発表が終わり、最後に復興庁総合政策班参事官 久保田誉さんより、主催者としての挨拶がありました。
「皆さんの発表を聞かせていただいて、今日のゴールとしていくつかのキーワードをいただきました。1つは『かき回す場』。そして『人』。それも、アイデアや資金など、色々なリソースを提供してくれる人、それをかき集めてくれる人、そしてそれをまとめるコンシェルジュ、コーディネーターのような『人』が大切であるということ。この2つが合わることによって、具体的なものを生み出していけるようになると実感しました。
また、『双方向性』、つまり、主体的に関わる人たちが互いに連携しあうことも大切だと改めて感じました。そして、最後のワイナリーツアーの話ではありませんが、何より『ワクワク』が大事ですね。その意味で『食』というキーワードはわかりやすいと思います。偶然ですが、昨日仙台で行われた官民連携協議会の場でもそのことが議題になりました。これからも課題でもありますが、今日この場で感じたことを活かしたいと思います」
「最後に一つ、『復興・創生 顕彰』を紹介させてください。復興省では昨年より『新しい東北』実現のために、復興・創生にご尽力くださっている個人・団体の顕彰を行っています。今年も10月1日から11月30日の間に、自薦・他薦を問わず応募を受け付けています。
ぜひ皆さまもご協力いただければと思います」(久保田さん)
「新しい東北」復興・創生顕彰ホームページ
以上で、予定のメニューはすべて終了、参加者の交流タイムとなりました。
お互い名刺交換をしながら、今日話し合ったことや、今後へのアクションなどについて、あちらこちらで話し合いが行われていました。
以上