理想の終末期
セッションの目的
もしご自分がこの世から去るときに、どのように去りたいか、あるいは送られたいか考えたことがありますか?
KIT虎ノ門大学院において「イノベーション・ファシリテーション特論2(野村恭彦教授)」受講生の有志が集まり、フューチャーセッションによってイノベーティブなアイディアを生み問題解決を導く「KITフューチャーセッションネットワーク」というグループを立ち上げています。https://www.facebook.com/kit.fsn
第2回フューチャーセッション開催のテーマは「理想の終末期」です。 第1回のフューチャーセッションでは、「働き方」をテーマとしました。今回は、働き終わった後に続く人生の終末期がテーマです。
終末期と聞くとネガティブなイメージとなりやすいですが、本セッションでは、楽しく、明るく、自分が理想とする終末期を一緒に皆さんで考えてみましょう!
ホストは、KIT虎ノ門大学院で修士課程に在籍している桑本さんです。桑本さんの修士論文テーマは、まさしく本セッションの内容「理想の終末期」ということで、社会が求めている理想を具体的に実現しようと研究しています。また、同じ志を持った、(株)パイシーズ代表の早坂さんもサブホストとして参加します。本セッションでは、皆さんもご自身の「理想の終末期」をしっかりと見定め、実現に向けて一緒に踏み出して下さい。
インフォメーション
- 開催日時
-
2014/06/11 (水)
19:00 ~ 21:30 - 応募締切日時
- 2014/06/11 (水) 21:30
- 会場名
- KIT虎ノ門大学院 11F 1111講義室
- 住所
- 〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル
- > google mapで表示
- 定員
- 25 人
- 参加費
- 無料
- 備考
http://www.kanazawa-it.ac.jp/tokyo/map.htm
東京メトロ銀座線 虎ノ門駅 徒歩8分
東京メトロ日比谷線 神谷町駅 徒歩8分
都営地下鉄三田線 御成門駅 徒歩8分- 主催者
KIT FSN(フューチャーセッションネットワーク)
メンバー
企画メンバー 1
タグ
対象者
人生の生きる意味を考えたい老若男女(年齢不問)
詳細説明
人生の終末期は、高齢者の方々だけではなく、いろいろな事情でこの世から去らなければならない時に、幅広い世代に関係します。
本セッションでは、人生における理想の終末期を皆さん自身で考えていただき、私達が終末期を迎えるにあたって、何をするべきかを考え、自身の問題としてだけではなく、社会問題として課題解決を探るセッションを開催します。
特に高齢者の方だけではなく、若い方にも一緒に解決策を模索していただきたいと願っています。
また、メメント・モリ(ラテン語:死を想え)という言葉に代表されるように、古くから死を考えることで、人生を楽しく生きようという教えが多くあります。自分自身がどのような終末期を送りたいか、あるいは死に方というものを考え、その考えを単に皆さんと共有するだけではなく、どのように実現することができるかを参加者皆さんで作っていただくことで、ご自分の生き方を再考してみましょう!
【インスピレーションスピーカー】
井上治代様
東洋大学ライフデザイン学部 教授 (社会学博士)
認定NPO法人 エンディングセンター 理事長
長年葬送研究をされており、「墓と家族の変容」、「より良く死ぬ日のために (よりみちパン!セ) 」等著書を多数お持ちです。
最終的に、35人の方々が参加されたセッションとなり、20歳の大学生から70歳前半の方まで、老若男女が集まり、セッション全体を通じて色々な角度から対話をしていただくことができました。
企画者として、ご参加いただいた皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。
問いを共有する・関係性をつくる
最初に参加者の方々2人一組のペアとなり、自己紹介として、お名前とともに、最近読んだ本や、映画、テレビドラマなど、おもしろかったものを紹介していただきました。その後、本セッションの目的をお話ししました。
【インスピレーショントーク】
ゲストスピーカーとして、東洋大学ライフデザイン学部 教授の井上治代さんから、現代のお墓事情をお話しいただきました。そこから、参加者の皆様に今回のテーマである終末期の最後のステージである「死」というものを意識していただきました。
【グループ対話】
各テーブル、5人づつに分かれ、それぞれで対話をしていただきました。
Round1:ご自身の過去を振り返り、大事なものはなんだったのかを思い出していただきました。そのための問いは、「人生のターニングポイントは何か」というものでした。
Round2:まさに今、大事にしているものを確認してもらい、そこから次のステップとして未来を考えてもらう準備をしていただきました。そのための問いは、「人生で大切なことは何か」というものでした。
ここでは、あらかじめ「友だち」「家族」「仕事」「お金」「愛」「その他」というカテゴリを作り、その中でご自身が大事にしている具体的な内容や、カテゴリ順の優先度をつけていただきました。
新しい問題の構図を描く
Round2で、「人生で大切なこと」において優先度が一番高いカテゴリ同士の皆さんに分かれてもらいました。
プロトタイピングする
この共感マップを作ることで、「理想の終末期」を考えてもらうことを期待しました。
ここでは、「自分が埋葬され、知り合いがその場に集まっている」という状況で、埋葬された自分が何を感じているかを想像してもらいました。その内容を以下の点から考えていただきました。
・何を感じ、何を考えていますか?
・何が聞こえますか?
・何が見えますか?
・何を言いたいですか? 動けるとしたら何をしたいですか?
・何が痛いですか、何が辛いですか?
・何を得られましたか?
この共感マップを作っていくことで、どのように生きるべきだったかを客観的に想像していただき、そこから理想の終末期をイメージしていただくことを期待しました。
アクションを生み出す
各テーブルで作成した共感マップを、全参加者の前で発表していただきました。それぞれのグループにおいて、人生で大切なことが違うために、色々な違いや発見がありました。
ただ、全体的な傾向として、ポジティブな言葉やキーワードが多く見られました。例えば「笑い声」「愛」「感謝」などが特に多く見られました。
また、人生を生き抜いただろうという視点から、「無」「何も見えない、聞こえない」という意見もありました。
全体を振り返って
今回の「理想の終末期」のセッションの目的は、参加者の方々の「理想」の共通の法則を見つけ、何か解決策を考えることではありませんでした。
どのような理想の終末期があるのだろうか? もし理想があれば、死ぬまでに何をしたら良いのだろうか?ということを皆さんに考えていただきたかったセッションでした。
普段、あまり考えたことがない「死」というものに対し、色々な対話ができ、新鮮で楽しかったという方もおられましたし、何が理想なのか結局わからなかったなど、モヤモヤ感をお感じになって帰られた方もおられました。
本テーマは、内容が広範囲にわたり、また、とても奥深いテーマです。そして、一回のセッションで答えを出せるものではないでしょう。そのため、本テーマは引き続き複数回開催する予定です。是非その際は、多くの方にご参加いただけるよう、しっかりと準備をしていきたいと思います。