デンマークに学ぶ!これからの教育フューチャーセッションvol.3
Mission
国民幸福度世界一、対話を重んじる民主主義発祥の国デンマークの教育事情をモデルケースに、日本の未来を創る子ども達が、もっと幸福感を抱き、一人ひとりの力を発揮できる社会にするための、これからの教育について考える。
インフォメーション
- 開催日時
-
2013-09-21 (Sat)
12:00 ~ 16:30 - 応募締切日時
- 2013-09-21 (Sat) 16:30
- 会場名
- 地球環境パートナーシッププラザ
- 住所
- 〒150-0001 渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F
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- 定員
- 50 人
- 参加費
- 会場払い 2,000 円
- Information note
デンマークのお菓子とコーヒー付
- 主催者
中曽根陽子
Participation
教育に関心のある方。今の日本の教育の現状に疑問を持っている方。より良い未来の教育を創っていこうという意思のある方。
Description
今、私たちを取り巻く社会は、グローバル化が一層進み、ものすごい勢いで変化しています。
しかし、果たして日本の教育は、その変化のスピードについて行けているでしょうか?
そして、未来を生きる子ども達が幸せに自立していくためには、はたして、どんな力をつければいいのでしょうか?
その答えを探す手がかりとして、5月にデンマークの教育現場を視察してきました。
今回は、そこで見てきたことをじっくりとシェアすると同時に、『第3の教育』の著者である炭谷俊樹先生をお招きして、グローバルに通用する力を育てるお話を伺います。
炭谷先生は、マッキンゼーの社員時代にデンマークに駐在。そのときの経験を元に、「グローバルに通用する本質的な学びの場を作りたい」と神戸で探求型の学びの学校「ラーンネットグローバルスクール」を開校なさいました。
国民の幸福度世界一、そして持続可能な社会を生み出しているデンマークの教育を参考にしながら、
日本の子ども達が、もっと幸せを感じながら生き生きと力を発揮するには、何が必要なのかを考えます。
一緒に、これからの教育の話をしませんか?
12:00(開場11:30)~16:30
1部
①「デンマークの教育から学ぶ」
教育ジャーナリスト 中曽根陽子
②「第3の教育」
ラーンネット グローバルスクール 代表 炭谷俊樹さん
③サークル セッション
2部
日本の教育の未来について考える、フューチャーセッション。
参加費 2000円(デンマークのお菓子とコーヒー付)
定員 50名
終了後懇親会あり(別途清算)
*人数把握のため、参加ご希望の方は申し込み時にお知らせください。
「これからの教育フューチャーセッション」の目的と参加者
中学生の36人に1人が不登校という日本の教育。その一方で、グローバル人材の育成が声高に叫ばれています。社会が急速に変化していく中、従来型の教育手法の限界も顕在化しており、教育改革に対する関心も高まっているようです。果たして、未来を生きる子ども達が幸せに自立していくためには、どんな力を育てる必要があるのでしょうか。また、そのために、何を変えていく必要があるのでしょうか。
これからの教育に関心のある人たちが集まって、さまざまな角度から対話をすることでその答えを探し、さらに具体的なアクションにつなげていくために、フューチャーセッションを開催しています。
3回目となる今回は、これからの教育を考える答えを探す手がかりとして、デンマークの教育を参考にしながら、これからの日本でできることを探しました。
当初予定の50人を大きく上回るお申し込みをいただき、急遽10席増やして対応させていただきました。
当日は、学校現場の先生・学校外の教育現場の方々・教育関係の企業の方々・メディアの方々・一般企業の会社員の方・大学生・子育て中の親ごさんなど多様なメンバーが、これからの教育について考えるために集まりました。
1部 インスピレーションを得る
①「デンマークの教育から学ぶ、これからの教育と子育て」
教育ジャーナリスト 中曽根陽子
国民の幸福度世界一で、クリエイティブなものが次々と生み出されるデザインの国。そして、国民の対話によって、原発ではなく、自然エネルギーを選択した民主主義発祥の国デンマーク。10日間にわたって、教育機関を一通り視察してきて見えてきたこと、感じたことを紹介しました。
キーワードは、「ソフトランディング」「対話」「自然」の3つ。次の教育機関に移行する時に、一斉に進級するのではなく、それぞれの成長に合わせて、ゆっくりと自立させていく仕組みがあるデンマークの教育制度。その中で、個を大切にしながら、対話によって自分で考え、行動する力が育くまれていきます。太陽が出ていて、自然があって、家族や友人とのゆっくりとした時間があれば幸せというデンマークの人々。国がいったん導入を決めた原発を国民の対話によって拒否し、自然エネルギーによる持続可能な社会を選択した国だけあって、環境教育も盛んでした。
自分らしく自立すること。社会に対しては納税の義務を負うというのが、デンマークの人が考える教育のゴール。教育が社会につながっている国だと感じたということを報告しました。
②コペンハーゲン突撃インタビュー「幸福度世界一のデンマーク人にとって幸せとは?」
ライター永田久美子さん
コペンハーゲンで出会った、デンマーク人・ドイツ人・アメリカ人に突撃インタビューを実施。問いは、①どんな時に幸福を感じるのか。②子育てで大事にしていること。③子どもに伝えたいこと。国民性の違いも現れた興味深い報告でした。デンマーク人に共通していたのは、ごくごく身近なことに幸せを感じられる感性があること。子どもたちに望むことも、その人らしくあること。そして、自立すること。対照的に、アメリカ人が子どもにかける言葉が、「Do Your Best!」だということ。
デンマークがなぜ国民の幸福度世界一なのかを、端的に表しているようなレポートでした。
②「第3の教育」
ラーンネットグローバルスクール代表 神戸情報大学院学長 炭谷俊樹さん
マッキンゼーの社員時代にデンマークに駐在。そのときの経験を元に、「グローバルに通用する本質的な学びの場を作りたい」と神戸で探求型の学びの学校「ラーンネットグローバルスクール」を開校された炭谷先生。15年にわたる実践の内容とその成果についてお話いただきました。
小・中学生の間は、テストでランキングをしない。学ぶ内容はそれぞれの学校が決めていい。新しい学校を作ってもいい。授業は、対話による双方向型で進められる。その結果、苦手科目があまりなく、自分の幸せは自分で創るという意識が育っているというお話。
「日本の教育は、苦手製造機」という炭谷先生。「評価をしないほうが、子どもは伸びる」という言葉も衝撃的でした。
ラーンネットでも、「とことん」という時間があり、小学生の時に、ひたすら穴掘りをしていたという卒業生が、今では東大の大学院に進み、最先端のコンピュータープログラムを開発しています。
幼少期に、自分が興味を持ったことにとことん取り組む体験をすることで、自己肯定感とやる気が育つようです。
このあたりに、子どもの持っている力を最大限に伸ばすヒントがあると感じました。
「すべての人は、無限の可能性があり、必要な能力はすべて兼ね備えている」という先生。
しかし、私たちは、人と比べらることで、いつしかその可能性をあきらめさせているのかもしれません。
「偏差値型のパラダイムでは、目標は外や上から与えられるが、探求型のパラダイムは、自分の幸せは自分で決めるもの」という言葉が印象的でした。
インプットの合間には、それぞれ10分間の振り返りタイムを設けて、参加者同士の自己紹介を兼ねて、話を聞いて感じたこと、疑問などを出し合っていただきました。
質疑応答の時間で、参加者の理解を深めた後、ブレイクタイム
デンマークのお菓子をいただきながら、参加者同士でさっそく対話が始まっていました。
2部 新しい時代に合った日本の教育システムや内容についてアイデアを出す
ワールドカフェ方式で、「学校教育」「学校教育以外」「家庭」の3つのテーマに分かれて話合いました。
PART1 問いを深める
PART2 思いを深める
PART3 想いを形にする
というプロセスを経て・・・、
PART4 アイデアを共有する
- 「社会で子どもを育てること。スチューデントアシスタントに様々な年代・立場・専門の人を総動員して関わってもらう。」
- 「中間支援組織をつくって、マッチング、ルール作りとその検証を担ってもらう」
- 「子どもたちの多様な価値観をフォローする仕組みづくり。朝・週末など時間的に、シニア・企業人など人的に、多様なリソースを活用するようにする」
- 「教師にギャップイヤーを設ける。教えなきゃいけないということから解き放たれてもらう」
- 「幸福度の高い教育のゴールって?そのゴールを共有しあうことが大切」
- 「教育が探究型・創発型にならないのは先生が忙しい、サポートする仕組みがないから」
- 「社会に開かれた学校に。授業は学校の先生と社会人で分担して、学校の先生も社会勉強できる時間をつくろう」
- 「子どもも大人もやり直し・学び直しのチャンスがいつでもつかみやすいしくみに」
- 「野尻湖のペンションでフォルケホイスコーレを開きます」
- 「子どもが子どもの人生を生きれるように、まず自分自身が自立しよう」
- 「地球ママサロンをつくって、お茶を飲みながら気軽につながるところから始めて、命に感謝することの大切さを共有していこう」
- 「日本全国鍋キャラバンをつくって、色んな人が集まり美味しいものを食べながら鍋という共通体験から会話のキッカケを生み出しコミュニケーションする場を提供しよう」
- 「教育にもっと投資をしよう」
というたくさんのアイデアが出ました。
社会を変えるのはどこかの偉い人ではなく、私たち自身。当事者意識をもって、具体的なアクションを起こしていくことが大切だと改めて実感しました。
最後に、全員が私ができることを宣言して、4時間半に渡る熱いセッションは終了しました。
「これからの教育フューチャーセッション」も3回を重ね、これまでに延べ160人以上の方が参加されました。主催者としては、毎回、対話によって起こる化学反応のすばらしさと人々のエネルギーの高さを実感しています。
このテーマへの関心の高さを確信すると同時に、具体的なアクションにつなげていくために、この場をどのように育てていくかが今後の課題だと感じています。
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