GEの組織開発から学ぶ:企業文化としての信頼のプラットフォーム
Mission
今年の「フューチャーセッション・ウィーク2017」のテーマは、「New Platform of Trust:信頼でつながる新たなプラットフォーム」です。この日は、GEの組織開発の思想と実践を学んだ上で、今後日本企業が構築していくべき、企業文化としての信頼のプラットフォームのいくつかの可能性を描きたいと思います。
ゲストは、GEジャパンで人事部長をされている谷本美穂さんです。
インフォメーション
- 開催日時
-
2017-07-07 (Fri)
18:30 ~ 21:00 - 応募締切日時
- 2017-07-07 (Fri) 21:00
- 会場名
- 渋谷if space (TOHTAMビル 4F)
- 住所
- 渋谷区渋谷3-10-5
- > google mapで表示
- 定員
- 44 人
- 参加費
- 無料
- 主催者
- フューチャーセッションズ 野村
- GEジャパン 人事部長 谷本さん
メンバー
企画メンバー 1
参加者 40
Description
GEは、どんな組織開発に取り組んでいるのでしょうか? グローバルな企業変革真っ只中のGEの人事として、組織文化づくりの最先端で取り組む、人事部長の谷本さんが、包み隠さずすべての経験や知識を共有してくださいます。
GEのような巨大企業でも、デジタル・インダストリアル・カンパニーに変容するために、分析型の考え方、働き方から、スピーディに方向変換できる「FastWorks」を掲げ、企業文化と働き方の変革を始めています。スピーディな意思決定と方向転換を可能にするFastWorksの鍵を握っているのが、組織内で懸念を正直に伝え合える企業文化、つまり信頼のリーダシップだと言います。私がもっとも興味を持ったのが、「FastWorksを推進するために、対話を最重要視する」というGEの企業文化改革です。「議論よりも対話」の企業文化づくりは、仕事の質を上げて、本質に迫ろうという意味では、(FastFoodとSlowFoodの比喩で考えると)「SlowWorks」と呼んでもいいのではないかと思うほどです。「信頼の基盤を作り上げることが、ビジネスのスピードも成果も高める」という信念をいかに組織全体で実践するか、谷本さんと一緒に深めていければと思います。。
私たちは、どんな信頼のプラットフォームを能動的に創り上げることができるのでしょうか?これからの働き方は、どう変わるのでしょうか?いわゆる「働き方改革」の議論を超えて、本質的なビジネスの変化、社会システムの変化から、「信頼でつながる新たなプラットフォーム」の可能性を広く探って行きます。
フューチャーセッションウィーク、金曜夜は、「GEの組織開発から学ぶ:企業文化としての信頼のプラットフォーム」。親友の 島田 由香 (Yuka Shimada)さんの紹介で知り合い、意気投合した Miho Tanimotoさんと、初のコラボセッションでした。
Shibuya if spaceのキャパいっぱいで、本当に素晴らしい対話の場になりました。
GEジャパン人事部長の谷本さんのお話。簡単にご紹介します。
*****
「社員全員がリーダーシップを発揮する」GEバリュー。
ビジネス戦略と人事戦略との一貫性、それが最も大事。
それは、「事業変革と意識変革の一貫性」。
事業変革としては、デジタル・インダストリアル・カンパニーへの変革に取り組んでいる。未知の領域だが、製造業のサプライチェーンのプラットフォームとなりたい。そうすると、GoogleやFacebookのようなITスタートアップ企業と競争しなければならなくなる。
そのための意識改革は、「よりシンプル、顧客フォーカス、失敗から学ぶ、エンパワメント」へ。
本社のコントロール、シックスシグマでの多角的な分析など、完璧すぎる主義から、走りながら学ぶような文化に変えていかなければならない。これまでは、失敗という言葉は、会社の中で使ったことがなかった。
意識改革、カルチャーチェンジをドライブすることが、人事の仕事。
GE Beliefs。こういう時代に勝っていくための行動指針。
これを体現するための、リーンスタートアップをGE流にしたのがFastWorks。カスタマーを特定して、お客様の課題を発見、シンプルな方法を選び、学び、行動に移す。
最後にその人の行動を変えるのが、評価指標なので、Performance Developmentも変える。
その最大のチェンジは、パフォーマンス管理から、パフォーマンス促進へ。
昇給昇格を決めるための年一回のフィードバックから、個人の成長を促す日々のフィードバックへ。
Insight(気づき)を与える、もらう。continue insightまたはconsider insight。
PD(Performance Development)を浸透させるのは、たいへん。なぜならconsiderを送るのには抵抗がある。でも、本当のギフトはconsiderにある。
本当のギフトを言い合える風土は、お互いが信頼しあえるチームだろう。
いかに信頼という概念を会社全体に広げていけるかが大事。
マネージャーをピープルリーダーという概念に変えている。
管理するマネージャーではなく、ピープルリーダー。
Command & controlから、Empowerment & trustに。メンバー一人ひとりの強み、夢を理解してますか。自分の部下は自分のコピーではなく、自分の持っていない強みを集め、そういう目線でチームを持っているか。
ハイパフォーミングチームの基盤には、Trustがある。
Trust Sessionをやっている。信頼ということのみについて、みんなで3時間くらい対話。
信頼の意味するところは、「弱さを見せられる、自分のありのままを見せられる信頼」。
いいところばかりを見せて、自分の有能さだけを証明しようとしているのではなく。
表面的な調和では、コミットメントが弱い。信頼がチームにあると、成果に対するスピードが上がる。
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ここからは私の気づき。
最大の気づきは、「事業変革と意識変革の一貫性」を保つキーパーソンは「人事リーダー」だということ。
当然どの会社も、経営トップのレベルでは一貫性があります。だけど組織が大きくなると、それが伝わらなかったり、そうは言っても現実は、となりがち。
そこに、谷本さんのような「ピープルリーダーとしての人事リーダー」、つまり「誰がなんと言おうと私はこの一貫性を信じているから、あなたの事業の成功に一緒に関わりたい」という強いメッセージを体現できる人が、会社を変えていくんだと確信しました。
トップが変わらないと、と言ってしまうのではなく、「ミドルの人事リーダーが会社を変えている」ということを皆で共通認識としてもち、共に変革をドライブしていけるような、そんな強い人事リーダー・コミュニティを作りたい、そう感じました。ありがとうございました。
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