フューチャーセッションズ 未来勉強会 in 東北 #02 【未来の健康 〜機械との融合によるヘルスケアとは?〜】ゲスト:東北大学大学院工学研究科 吉田慎哉氏
Mission
背景:
技術が進化した先にある「ヒト」や「健康」はどうなっているのでしょうか?
COI東北では、人生100年時代に向けて、何歳になっても、生きがいを持って毎日を健康快活に過ごせるよう、様々な技術の研究に取り組んでいます。
「飲込みセンサ」などは、いつでも、どこにいても自分や家族の生活や健康状態がわかり、家族を超えて多世代間で応援支援が得られるさりげないセンシングを実現するための、有望な技術の1つです。
常に健康状態を把握し、病気の予防や早期発見につなげることは、超高齢社会における課題を解決するために重要な取り組みとなります。
一方で、技術がどんどん進化すると、楽に健康を維持できる反面、自分の生体情報が常に監視される状況になります。さらには、メンテナンスが容易な機械をヒトの体に組み込んだり、遺伝子レベルで身体情報を管理し、そもそも病気にならない体を手に入れることも可能になってきます。
人間が機械化する。あるいは、機械が意識を持ち始めると、人間と機械の境目があいまいになっていきます。
こうした未来の世界では、「ヒト」がどう進化していくのか?そのときに「健康」というものはどうなっているのか?
今回のセッションでは東北大学 東北大学大学院工学研究科 特任准教授 吉田先生をお招きして、現在研究中である「飲込みセンサ」や、ヘルスケア領域の先端技術のお話しをいただきながら、未来の「ヒト」がどうなっていくのか思考を広げ、そもそも病気になることは悪いことなのか?という大前提も疑ってみながら、これからの「健康」のあり方を描き、今を生きる我々はどう健康を維持していくべきなのかを探索していきます。
プログラム内容:
◆テーマ:
-
技術が進化した先にある未来の健康を探究する
◆問い:
- 機械と融合するヒトの健康とは?
◆プログラム(約2時間を予定)
- イントロダクション(10分)
- インスピレーショントーク(30分)
− 自己紹介
− 研究・活動紹介
− 質疑応答
− 自己紹介
− 研究・活動紹介
− 質疑応答
- セッション(70分)
− 技術の進化により、「ヒト」や「健康」はどうなるだろうか?
− 機械との境目がなくなるヒトの未来の健康とは?
- クロージング(10分)
〜勉強会後、1~2時間ほどの懇親会を開催します〜
(東北大学レジリエント社会構築イノベーションセンター入居者交流会と合同開催、会費は1,000円 学生は500円となります)
インフォメーション
- 開催日時
-
2020-01-30 (Thu)
15:00 ~ 19:00 - 応募締切日時
- 2020-01-30 (Thu) 19:00
- 会場名
- レジリエント社会構築イノベーションセンター
- 住所
- 〒980-0845 仙台市青葉区荒巻字青葉468-1 レジリエント社会構築イノベーションセンター3F
- > google mapで表示
- 定員
- 15 人
- 参加費
- 無料
- Information note
東北大学青葉山新キャンパス(未来科学技術共同研究センターの南側です。)
<仙台市地下鉄東西線をご利用の場合>
「仙台駅」から「青葉山駅」までは約9分
「青葉山駅 南1出口」からセンターまでは徒歩1分
・料金/250円(仙台駅から)- 主催者
- 東北大学 / COI東北拠点(東北大学革新的イノベーション研究プロジェクト)
- JST構造化チーム『学生・若手共創支援グループ』
- 株式会社フューチャーセッションズ
メンバー
企画メンバー 2
Participation
- ヘルスケアに関する事業に関心がある方
- ヘルスケアに興味関心がある方
- 産学連携に取り組みたい企業の方
- ヘルスケア研究に関心のある方
Description
ゲストインスピレーショントーカー:
吉田 慎哉
東北大学大学院工学研究科 特任准教授
専門は微小電気機械システム(MEMS)、マイクロ・ナノシステムだが、さしてこだわりはない。
2018年にジャパンバイオデザインフェローとして、デザイン思考をもとにした医療機器の開発プロセスを学ぶ。
現在、超高性能圧電MEMSの開発とそのための革新的材料の探索、ヘルスケア用飲 込みセンサの開発などに従事。
イノベーション創出の方法や組織論も勉強中。
ファシリテーター:
株式会社フューチャーセッションズ 代表取締役社長
大手広告会社にて、企業のブランディングやデジタルコミュニケーションに従事。デジタルクリエイティブの新しい表現に挑戦し、CannesやOneShowなど国内外の広告賞を多数受賞。またサステナブルな社会を目指すwebマガジンを発刊、編集長として運営を手掛ける。メディアの知見を活かし、より社会的なインパクトを創出すべく、フューチャーセッションズを設立。関心領域は、エネルギー、食。
つくりたい未来:次世代が今よりもよくなる可能性を感じられる社会
主催者:
東北大学 / COI東北拠点(東北大学革新的イノベーション研究プロジェクト)
JST構造化チーム『学生・若手共創支援グループ』
フューチャーセッションとは?
フューチャーセッションとは、『既存の問題や課題を再定義し、未来のステークホルダーを招き、対話によって、協力し合える変化を起こす場』を生み出す新しい手法です。経済産業省が発行する 『2016年 ものづくり白書』に「イノベーティブなアイデアやサービスを生み出す新しいメソッド」として掲載を頂きました。
「2016年 ものづくり白書」(METI/経済産業省)http://www.meti.go.jp/press/2016/05/20160520001/20160520001.html
注意事項:
- 以下に添付されている「フューチャーセッションズ 未来勉強会 参加規約」をダウンロードし、内容ご確認の上、同意後、ページ右上の「参加ボタン」を押してお申し込みください。
- セッションの構成上、途中参加はご遠慮いただき、開始時間に遅れないようご調整お願い致します。
- 当日は、より多くの気づきを得るためにも、オープンマインドな気持ちでの交流・対話ができる場にしたいと考えています。
- 当日のセッションで会話される内容やそこでの気づき・アイデアは、参加者のみなさんとの共有知となります。なお、秘密情報(ご所属会社や団体などご自身に関わるもの、第三者のものを問いません)はシェアしないようにお願い致します。
- セッション当日の様子を写真/動画で撮影させて頂いた内容は、後日にレポートとして、フューチャーセッションズのWebサイト、ソーシャルメディア、広告などへ掲載する可能性がございますので、予めご了承ください。
添付ファイル
フューチャーセッションズ_未来勉強会_参加規約.pdf
(2019/12/04 09:02:19にアップロードされました)
フューチャーセッションズ 未来勉強会 in 東北!
第2回となる今回は、東北大学大学院工学研究科から吉田慎哉さんをお招きし、
「未来の健康」をテーマにセッションを開催しました。
イントロダクション
15:00 - 15:30
オープニングトークでは、
まず始めにフューチャーセッションズ有福が代表して
未来勉強会の目的やゴールをお話しさせていただきました。
今回は他県から来てくださった方々も多く
スタートの時点から「何か面白いことが起こりそう」な気配に満ちていました!
自己紹介では
- お名前
- 所属
- 好きな食べ物
- 本日話したいと思っていること
をお話しいただいたのですが
皆さんそれぞれに話したいことが明確で
このセッションをとても楽しみにされている様子が伝わってきました。
インスピレーショントーク
15:30 - 15:50
続いて主賓である東北大学 吉田先生より
ご自身が研究されている、
胃酸電池を使った飲み込み型のデバイスを通じて深部体温を測定する体温計とその活用についてや、
人間の健康を管理、増進する新たなデバイスについての世界的な潮流についてお話しいただきました。
人間の体内に埋め込んだり、
装着したりして健康の増進を促す最新機器の話しはどれも面白く、
参加者は前のめりで聴き入っていました!
中には皮膚内に埋め込んで発光するだけのアイテムなどもあり、
それ何に使うんだよ!?(笑)という驚きの声も。
インスピレーショントークの終盤では
テクノロジーの進化には限界があるとしたうえで
「近い将来人間が確実に直面する問い」を示していただきました。
・人間の能力はどんどん拡張される?
ex)脳に電流を流すと身体能力が数十%増幅される
・人間の欲は機械に制御される?
ex)胃に強制的に電気を流すと食欲が減る
・神経電極があれば不幸がなくなる?
ex)神経に刺激を与えることで強制的に幸福感を喚起する
・精神転送(マインドアップローディング)によって人の死という概念が変わる?
ex)人間の心をコンピューターなどの人工物に転送することで、肉体は滅んでも人が存在し続ける
生老病死が自然の摂理ですが、
それに対して科学技術でどこまで抗うのか?
そして上記のような世界は楽しいのか?
という投げかけには、場の空気ががらっと変わりました。
このテーマで早く話してみたい・・!
真剣な参加者の表情が印象的でした。
セッション
15:50-17:00
そうして始まったセッションは各グループごとに対話が止まらず
あっという間に時間が過ぎて行きました。
技術の進化により未来の「健康」はどうなるのか?というテーマで話しを深めたのですが
「数値的な健康状態」と「心で感じる健康」には開きがあるように感じられ
限られた時間の中で対話をどこに向けると全体の納得解が得られるのか
とても知的好奇心をくすぐられる対話でした。
対話の途中では「新しいテクノロジーは更に貧富の差を拡大させるのではないか?」
という問いも生まれて、意見交換が尽きませんでした。
AIとバイオテクノロジーで、特定の人だけが進化する未来を、ぼくらは許容できるでしょうか?
いずれにしても、
テクノロジーが人間の心身を管理し、病気を未然に防いだり、
能力を最大限に引き出す、あるいは能力を拡張するという流れは間違いなくやってきます。
■生命の有限性を超えていこうとする作用は生物の中に埋め込まれている根源的な性質であり
人間は欲望との向き合い方を問われている。
■テクノロジーが進化すればするほど人は働かなくていいはず。
果たして本当にそうした世の中は来るのか?
■数値的な体の健康は満たされて
死なない状態をどんどん作れるようになっていく。
そうすると死を自ら選べることが未来の健康になるのではないか?
■健康とは「苦痛ではない状態」
など否定形の状態でないと定義できないのではないか。
■健康である=幸せなのか?
(幸せと健康はつながっているのか)
などなど、各グループからシェアされたまとめが濃厚で、
とても実り多きセッションでした!
ご参加いただいた皆様、スピーカーの吉田先生、
知的好奇心がくすぐられ、哲学的探究が止まらない場を作っていただきありがとうございました!