組織の枠をこえてSomething Newを生み出す SNack bar !
Mission
愛称はSomething Newにちなんで SNack bar!と名付けました^^
持ち寄りお菓子で「組織の枠を超えてSomething Newをうみだす」を合言葉にわいわいアイデア交換をする「しごと考」のセッションです。
今回のテーマは「文化のワク〜国の文化、組織の文化と私たちの仕事」
11/20(木)19:20〜21:40 青学での開催です。みなさん遊びに来てください♪
今回は自分にとって”異文化のお菓子”をご持参ください。
簡単なアンケートがあるのでお申し込みはできるだけこちらから
→http://kokucheese.com/event/index/231436/
インフォメーション
- 開催日時
-
2014-11-20 (Thu)
19:20 ~ 21:40 - 応募締切日時
- 2014-11-20 (Thu) 21:40
- 会場名
- 青山学院大学 17号館 17715教室
- 住所
- 東京都渋谷区渋谷4-4-25
- > google mapで表示
- 定員
- 30 人
- 参加費
- 会場払い 500 円
- Information note
詳細はこちらをどうぞ http://kokucheese.com/event/index/231436/
- 主催者
藤澤理恵,石山久美子
Participation
組織のワク、いまの仕事のワクを超えて、もっと自由で創造的な未来の働き方を自らデザインしたいと考えるみなさまのご参加をお待ちしています。
Description
今回はイギリス在住の異文化人材マネジメントコンサルタント石山久美子さんをお招きして、私たち一人ひとりの中に根づいていている「文化」のワクを知ることから、自分らしい働き方を選択するということを考えたいと思います。
日本に先んじて成熟国の道を歩むイギリスの考え方・働き方に学ぶことはたくさんあると思います。
自分たちの望む未来を主体的、自律的に選択するために。どんな未来を描きうるのか。
働き方の未来には、組織と個人の関係の見直しを伴うと考えています。
自分が囚われているかもしれない「ワク」を知ることで、何かを生み出すためにどんな関係にも自由に出入りできる、それぞれの未来をご一緒に描いてみませんか。
わいわいおしゃべりしてアイデアを交換しましょう^^
■今回のゲスト
石山 久美子 / ISHIYAMA Kumiko
○所属:代表取締役社長&コンサルタント, The Project Company (London) Limited
○専門分野:HR and Marketing
○経歴:一橋大学経済学部を卒業後、シャープ株式会社で海外営業や海外商品企画に従事。仕事のなかでグローバル人事に興味を持ったため、2006年にLondon School of Economics and Political Science (LSE)の大学院に自費留学した。卒業後は英国企業で人事コンサルティングに従事し、2年後に独立。フリーランサーとして5年間に亘り、在英日本企業に対する人事コンサル、異文化研修、マーケット調査などに携わった後、2014年7月にマネジメントコンサルティング会社The Project Companyを設立した。ロンドン在住8年。
■主催者
藤澤 理恵 / FUJISAWA Rie
○所属:首都大学東京大学院 社会科学研究科 経営学専攻
○専門分野:組織行動論
○経歴:組織・人事コンサルタント×GCDFキャリアカウンセラー×2回の育休×3回目の休職で組織論研究者としての修業中
今回のテーマは
『「文化」のワク~国・地域の文化、組織の文化と私たちの仕事~』でした。
じぶんにとって”異文化”のお菓子をご持参いただきました。
イギリス在住のHRコンサルタント石山久美子さんをお招きして、日本に先んじて成熟国の道を歩むイギリスの考え方・働き方をご紹介いただきました。
シェアいただいたお話や場でのおしゃべりにおいていくつか印象に残った点をご紹介します。
■働き方のシフトチェンジのきっかけは不況、普及の原動力は競争
イギリスにもかつては終身雇用的な雇用慣行があり、それが不況によって崩壊し雇用の流動化が進みました。約束した労働時間以上は働かない、という働き方が普及したのもそれ以降という認識です。でもその実態は、大方の参加者の皆さんにとってちょっとイメージと異なるものだったようです。
・基本的には9-17時などの決められた時間以上は働かない
・成果は厳しく問われ、評価される
・成果の水準が上がらなければ昇給はない
・約束の成果が時間内で果たせないとき、残業代などの追加賃金は支払われない
・人を増やすなどの業務調整はマネジャーの仕事、適正量に調整する
参加者の方から、契約に基づいて定時で働きながら成果責任?残りのタスク対応は持ち出し?という成果と時間の関係について質問の声があがりました。日本では定時上がり・時短勤務は時間で切り上げる働き方であり、成果に責任をもつ働き方ではないというイメージが強いのかもしれませんね。
あるいはフルタイム労働者であれば、成果責任を持たされると際限なく働く羽目になる、または際限なく働くことを前提とした成果責任が否応なく渡される、という実態があるからでしょうか。
この違いには私は「残業代」「転職という切り札」「マネジャーの役割」などについての前提認識の差が影響しているのではないかと感じました。
いろんな意味で「残業代」に依存しているから、あるいは「転職という切り札」を労働者が持ってないからそしてその手前にある自分の能力や専門性の自覚が弱いから、成果を基準とした業務調整や賃金交渉に真剣に取り組まないし、「マネジャーの役割」として業務調整や成果の適正評価を要求することをしない。そんな甘えや諦めが、私自身の中にないと言えるでしょうか。
一方でこのような働き方には個人にとって厳しい面も当然あります。
・成果で厳しく評価される
・挑戦しなければ賃金は上がらない
・安心して働き続けるには3つの専門性をもっていたいと言われる
・年齢差別が禁止されているので、新卒一括採用は不可能
ちなみに英国の失業率は6.35%、日本は3.71%です。
若年失業率に絞ると英国20.9%(18~25歳)、日本は6.4%(15~18歳)・7%(19~24歳)となります。※
英国では未熟練の労働者の就職が圧倒的に難しい現状があります。
飛躍するかもしれませんが、私たちはある面では労働市場を漂う商品なんだということをなんだか痛切に感じました。
イギリスも必ずしも主体的に「選択」したわけではないのですね。流動的な雇用を不況に選ばされ、労働者同士の競争がそれを加速させたのです。これからの日本において「選択」の余地が残るのかどうか、私にはわかりません。
まだまだ雇用情勢が厳しくないうちに、旧い評価軸で評価されようがされまいが、自分の信じるしごとや専門性を自分でつくることにチャレンジしておきたいとも思いました。
■仕事の時間と成果、自由と自律
しかしこのような雇用情勢や労働条件の変化は、総労働時間を短縮し、フレキシブルな働き方の選択肢を増やした面もあるようです。
参加者に一番人気だったのは「昼間からパブで飲んでそのまま帰っちゃうのもアリ」という「文化」でした。
成果さえあげていれば文句はないからというのももちろんそれが許される理由です。ただそれに加えて、このようなフレキシブルワークへの理解にはもっと深いビジネス合理の前提認識の日英の違いがあるようです。
■ワーク・ライフ・エンリッチメント
イギリスではワーク・ライフ・バランスとは言わないそうです。
ワーク・ライフ・エンリッチメント。どちらも豊かにするし、それぞれがいい影響を及ぼしあうものとして認識されています。
それも「公私共に心配事が無く楽しい方がいいよね」というような情緒面の相補関係だけでなく、「パブで生まれるチームワークや社外の新しい人脈からいい仕事が生まれる」という認識があるのです。実際に石山さんも、友人との間で新しい仕事が生まれることが頻繁にあるそうです。
そしてそういう友人関係、人的ネットワークの相手として「仕事の話しかできない奴はつまらないと思われる」「プライベートな生活からにじみ出る個性が尊敬の対象となる」という「文化」があるそうです。
日本人も忙しい自慢してる場合じゃないよね、でもそういうのも減ってきたかなぁ、といった会話が参加者の間でされたりもしましたが、皆さん自身はどのようにお感じになりますか。プライベートが充実している人を尊敬や信頼の対象としてみるような気持ちはありますか。
私も組織に所属しない学生の身でふらふらしていると、組織人として行動している人たちはチョット堅苦しいなぁと感じることがあります。これからの価値あるしごとは、既存の組織の中から行儀よく生まれてくるものなのかどうか、どうなんでしょうね。
■comfortable zone を少しはみだすということ
イギリス人の同僚たちが非常によく挑戦しようとすることに、石山さんは当初気圧されたそうです。comfortable zone に留まるのではなく、少しだけはみだす、ということを彼らは日常的に行っている。それは競争だから、何もしなければ昇給もないから、という事情があるにせよ、石山さん自身も実際に踏み出してみると、自信や経験となって自分に積みあがっていくものがあるのを実感したとのこと。
ついつい慎重になる、リスクに敏感になる、何度も手直ししてしまう、そんな「日本的」な仕事の仕方を変えたきっかけは、「最悪の事態ってなんだ?」と冷静に見積もってみたことだったとか。
例えばコンサルタントという職業上の特殊用件なのかもしれませんが、訴訟リスクに対して、一つひとつの案件について会社は保険に入っている。じゃあもしも提案に誤りがあったとしても自分にも会社にもリスクはないじゃないか。そういうことに一つひとつ安心するごとに、速く、大胆な提案ができるようになっていったそうです。
資料の見栄えの過剰、ミスを起こさないためのチェック体制の過剰、承認ルートの長さ、多人数の会議、そういったものが日本の会社の生産性を下げているという指摘があります。リスクを正確に見極めて、保険をかける、リカバリーの準備をしておく、そういうことにもっと時間を使ってもいいように思いますね。日本ではプロジェクトマネジメントの技術が軽視されているとも聞きます。
■両立支援策で日本の親が幸せになれないのはなぜか
こうしたエキサイティングなおしゃべりを続けながらひとつ気になったことがありました。
例えば、先ほどの「昼間っから飲みに行く」について、やったことある人~と尋ねると、半数くらいの方がやったことがある、と言うのです。
それでも、自分はそういうフレキシブルさの体験をしていても、多くの方の口から出てくるフレーズは、「日本では、、、」「日本人は、、、」「日本企業は、、、」
もしかしたら主語が大きすぎる場合はなかったでしょうか。自分自身は体験していない憶測や聞き語りが混ざっていたりはしなかったでしょうか。「文化」にはそういう面があると思っています。自分が読んだ空気が「文化」になっていくという面が。
そうした空気の読み過ぎと、先ほどの業務調整を上司の役割と考えない仕事の仕方が、「休んだ人の業務のカバーに同僚が頭を悩ませる」という状況を生んでいるのでしょうか。次の調査にあるように、「日本では」気兼ねして休めないし帰れない、休んでも時短しても幸せになれない人が多いようです。
日本企業では育児休業や短時間勤務制度といった両立支援策はWLB満足度に目だった影響を及ぼしません。WLB満足度に影響するのは企業による労働時間削減のための取り組みであり、職務が明確で職務遂行に裁量性がある、支援的な上司である、助け合う職場であるといった職場要因です。
RIETI - 働き方改革を進めるための人事マネジメントの課題:ワーク・ライフ・バランス国際比較調査からの示唆
■日本文化のいいところ
石山さんからは、なんでも真似するのではなく日本のいいところも選んで残していったらいいと思うというお話がありました。
何がそれにあたるのかなぁと思ったのですが、会の最中に、参加してくれていた私の中国籍の友人が 「中国では上司の指示に従わないということはあり得ない。採用に当たってディスカッション能力なども問われない、上司に服従するマナーの良さがあればいいので。日本ではこの場のように自由にディスカッションすることができる。これは素晴らしい文化です」と言ってくれたことが印象に残りました。
そうした意見を発するということについて日本人は必ずしも得意でないという意見も出ていた中だったので、これこそ異文化比較をしてみてわかる発見だなぁと。
また日本人もSNS上などで匿名であれば強く発言する人も多くいるから意見がないわけではない、伝え方がうまくなればいいという指摘もあり、アサーティブネスの技術は大事だなぁと心の中で(口に出して言わなかったことに理由はないんですが)噛みしめていた次第です。
■流されず、でも本質を受け入れてもらえる発信を
前回の「研究者の働き方にみる働き方の未来」の回でも働き方のサンプルを提示してくださった香川先生が、「研究者でも歴史に名を残すようなすごい人は、多くの人がこっちだ!と言っているときにその流れに乗らず、でも別の角度から本質的なことを指摘して、受け入れられる、そんな人たちが多い」という話をしてくださいました。
私はこの洞察がとても心に残っています。空気を読めないのでも読まないのでもなく、読んだうえでその先に向けて発言する。
今を否定するのでも誰を批判するのでもなく、本質に光を当てる。
そんな生き方、働き方ができたらいいだろうなぁと思いました。
とりとめもないのですがこのくらいで。
不定期開店の SNack bar! また遊びにきてくださいね^^
※失業率出典
失業率の推移(1980~2014年)(日本, ドイツ, フランス, イギリス, スペイン) - 世界経済のネタ帳
EUが進める待ったなしの若年層雇用対策 | 駐日EU代表部公式ウェブマガジン EU MAG
20代前半の失業率は7.0%…若年層の労働・就職状況をグラフ化してみる(2014年)
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