プレアイデアソン
セッションの目的
・アイデアソンのテーマ(スコープ)の明確化
・参加して欲しいステークホルダーの選定
・必要なオープンデータの想定
開催終了
インフォメーション
- 開催日時
-
2014/08/29 (金)
09:30 ~ 12:00 - 応募締切日時
- 2014/08/29 (金) 12:00
- 会場名
- 宮前区役所4階大会議室
- 住所
- 川崎市宮前区宮前平2-20-5
- > google mapで表示
- 定員
- 20 人
- 参加費
- 無料
- 備考
宮前区役所アクセス
※宮前平駅から宮前区役所までは、急勾配な長い坂です。- 主催者
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)、株式会社フューチャーセッションズ
対象者
企画チーム、自治体のコアチーム、自治体の関連部門(テーマに応じて)、重要な支援者に加えて他の地域に根ざした団体(商工会議所、商店会、自治会、NPOなど)、20名程度
ゲスト:他地域のオープンデータ実践者
詳細説明
課題や想いが共有され、宮前区G-ハッカソンのテーマが明確になる(タイトルが決まる)。また、そのテーマのステークホルダーが想定され、その方々にどう知ってもらい、参加してもらえるかのプロモーション活動が明確になることを目指す。
グランドテーマ:”超高齢社会へ創造的に立ち向かう”
切り口:地域内外の誰にとっても居場所や活躍する場がある街をつくる
テーマ案:
・地域観光、足を伸ばしたくなる街づくり
・市民参加型の地域づくり
・都市型農業によるエコシステムづくり
・地域の集う場や遊び場づくり
・高齢者・主婦・学生などの仕事場づくり
G空間未来チャレンジ プレアイデアソン
プレアイデアソンは、「参加してほしいステークホルダー」を明確にするセミクローズドな企画セッションです。セッションには、当事者である宮前区役所、川崎市役所の皆さんに加え、Code for Kawasakiや富士通など、地元に根ざした問題解決に関心のあるコアのステークホルダーが集まりました。
チェックイン
プレアイデアソンは、宮前区の大きめの会議室で、全参加者が一つの輪になって座り、参加者全員が簡単な自己紹介をしました。
インスピレーション・トーク
主催者の代表から本プロジェクトのねらい、宮前区企画課から宮前区の現況と問題意識、川崎市総務 ICT推進課から本プロジェクトへの川崎市としての期待が語られ、問題意識が参加者全員に共有されました。
ストーリーテリング
続いて、参加者同士が信頼関係を醸成するため、そして未来思考になるためのペア対話が行われました。次の2つの問いかけに対し、ペアで順番に90秒ずつ語り合いました。
問いかけ1:「宮前区の高齢化やコミュニティ活性化」に関して、今は起きて当たり前になっているけれども、6年前には想像できなかったことは?
問いかけ2:「宮前区の高齢化やコミュニティ活性化」に関して、6年後に実現していることは何ですか?(過去形で、ちょっと自慢話風に話してください)
金魚鉢(フィッシュボウル)
ウォーミングアップが終わったところで、席を二重の円に配置し、内側の人だけが対話する金魚鉢スタイルの対話に移りました。金魚鉢は、内側に4人くらいに入ってもらい、加えて一つ席を空けておきます。外側の人は、いつでも話したくなったら内側の席に移動して、対話に参加することができます。つねに一つの席を空けておくために、誰かが入ってきたら、もう十分話したと思う人が自分から外側に抜けます。
この金魚鉢では、できるだけ広く、多様な課題を一人ひとりの自分ごとの問題意識から拾い上げることです。問いかけは、次の2つでした。
問いかけ1:今、宮前区で起きている変化は?
問いかけ2:あなたが、宮前区で起こしたい変化は?
金魚鉢では、様々な視点から、次のような課題が挙がりました。
- 宮前区役所:職員一丸となったサービス向上に取り組んでいる。受け身や改善だけではなく、もっと広くサービスを提案できるようになることが課題。
- まちづくり:まちづくりに関する団体は多い。ボランティアをしたい人、「まちづくり」などのボランティアをしている団体とのマッチングが課題。
- 自治会、町内会:登録数が減少しており、若い人も参加しやすい仕組みや世代交代が課題。
- 労働事情:都内で働く富裕層が多く住む地域。しかし、若い世代の雇用形態の不安定化や、定年の引き上げなど、新しい労働に関わる課題が生まれている。
- 川崎市内の人の流れ:地域的な魅力が発信されていない。川崎市南部(川崎区、幸区、中原区)から北部への人の流れづくりが課題。
- 地形:坂が宮前区の特徴。体力づくりに貢献できるメリットはあるが、非常に不便。雪になると高齢者は一歩も外へ出られない。公共交通の使い勝手などが課題。
- 地域資源:農業(ブルーベリーや梨など)、歴史を感じさせる場所、桜の名所など、魅力的な場所があるにも関わらず、あまり知られていない。
- 天候:雪やゲリラ豪雨の防災対策が課題。
ドット投票
金魚鉢での気づきを通して、参加者全員が課題テーマ案を付箋紙に、1課題1枚で書き、ホワイトボードに貼り付けました。そして、アイデアソン、ハッカソンで探求したいテーマとしてふさわしいと思うものに一人5票、ドットシールで投票をしました。
その投票結果は、次の通りです。
ちょっとした情報を共有したい(11票)
家から外出したくなる街(都市設計、コミュニティ)(9票)
農(資源)を活かす(6票)
空き家(6票)
楽ルート案内(6票)
空間情報の活用 木(さくらとか)、ウォーキングマップ(6票)
坂道の勾配データを活用(5票)
面白い農業(5票)
高齢の人が気軽に出てくるしかけがふえるといい(5票)
道の途中にコミュニケーションの場を増やす(ちょっとした休憩スペース)(5票)
情報発信のツール(市政だよりではないもの)(5票)
デジタルおじいちゃんの知恵袋(4票)中原区、幸区、川崎区からの人の呼び込み(農業体験、見学)〜南武線下り活性化〜(4票)
市民が知っている宮前区の魅力をもっとオープンに(4票)
工房のような場所(やりたいことで集まる小さな場所)が増えるとよい(4票)
坂道データ(勾配)のオープンデータ化(4票)
多世代が交流・連携するまち(お互いが学ぶとか何かちょっかい出し合う)(4票)
省エネルート検索(付加情報付)(4票)
坂道にいいネタが点在。それを教える仕組みがあるといい(4票)
位置情報+バス・タクシー+コンビニetc(3票)
ここはどこ。避難場所は?(3票)
在宅勤務(企業・公共サービスを在宅で)(3票)
峠のカフェ(2票)
休憩場所を活用したコミュニティ(2票)
オープンガーデン(横浜市港北区内の普通のお宅で)(2票)
地域に雇用の場(生きがいを感じる場があればいい?)(2票)
何気ない木、神社に情報を集めて価値を高める(2票)
マイWalkingタウン。素敵なイスが道にある(2票)
宮前に外から人が来る(といい)(2票)
昔から住んでいる人のちょっとしたプチ情報を見える化する(2票)
衰退ではなく成熟へ(2票)
高齢者の健康維持(2票)
高齢化(1票)
相乗り効果(1票)
大雪、気候変動への対応(1票)
人力車(電動)(1票)
成長から成熟(1票)
横連携(サイロ活動可視化)(1票)
局地的な高齢化(若い世代がいるエリアとのアンバランス)(1票)
コミュニティ学校で学生を呼び込む(1票)
桜マップ(散歩道)(1票)
農作物(ブドウを作っているところもあります)(1票)
どこにどんな樹木が生えているか。美しい公園のような街(1票)
ミツバチプロジェクト(1票)
世代交代(1票)
小さな気づきを共有できる仕組み(Twitterの写真の位置など)(1票)
坂が好きな人、嫌いな人、運動したい人、したくない人など、パーソナライズされた道案内をもっとしたい(1票)
名所、商店街、坂道巡るマラソン大会(健康にも!)(1票)
グループの自己組織化
ドット投票結果を次の5つに分類し、参加者自らが関心のあるテーマを選び、集まってもらいました。
- 1. ちょっとした情報の共有(家から外出したくなる街/桜ウォーキングマップ)
- 2. 楽ルート案内(坂道の勾配データ活用/高齢の人が気軽に出てくるしかけがふえるといい/坂道データのオープンデータ化)
- 3. 道の途中にコミュニケーションの場(休憩場所を活用したコミュニティ)
- 4. 農(資源)を活かす(面白い農業/他地区からの人の呼び込み)
- 5. 他世代が交流連携(空き家/情報発信ツール/デジタルおじいちゃんの知恵袋/在宅勤務/避難場所)
クイックプロトタイピング
5つのグループに分かれ、次の3つ組を作成しました。
・テーマ:課題をより明確に、解決したい!と思えるよう、ビビッドに描写します
・ステークホルダー:どんな人がこの課題達成に必要か、その誘い方も考えます
・オープンデータ:どんなデータがこの課題達成に必要かを想定してみます
プレゼンテーション
プロトタイピングした内容をチームごとに発表し、全体に共有しました。
<グループ1:ちょっとした発見共有>
- 「歩きたくなる街」がコンセプト。
- ちょっとした発見、たとえば鉛筆削りの刃で日本シェア100%の会社があったり、公園が210カ所もある。クリスマスイルミネーションや、素敵なお店、変な木などの写真ネタなどなど。
- ステークホルダー:川崎マイスター、農家、中高の写真部、まちの写真クラブ、公園緑地協会、道路公園センターなど
- オープンデータ:まちの写真。公園などの位置情報
<グループ2:楽ルート案内>
- 「高齢者外出支援」でいかに便利なツールを考えるか。
- 目的地に行く時、それぞれの状況に応じて、徒歩、公共交通、タクシーなどの組み合わせも含めた最適ルートが分かる。あるいは、ハードな健康ルートなども分かるといい。人の流れがつかめると、逆に、出店の促進や広告主にとっても魅力となる。
- ステークホルダー:高齢者・老人会、介護施設、交通事業者、悟り系世代、飲食系
- オープンデータ:道の勾配、交通ダイヤ/ルート、タクシーの流しの情報(つかまりやすいポイント)
<グループ3:坂コミュニティ>
- 坂を避けるか、あえて健康のために使うか。
- 坂を楽しむために、それぞれの坂の名前を市民に公募することも。坂に昔の風景を流す、前日の雪の風景を流す、などの付加価値サービス。
- ステークホルダー:運動・健康に興味のある人、コンビニ/商店、ベビーカーを使う主婦、高齢者
- オープンデータ:風景画像・映像のアーカイブ、坂・階段などを使ったときの消費カロリー、休める場所の位置情報
<グループ4:農を活かす>
- 農体験、来ないと楽しめない。
- 農作物がどこで作っているか、どこで買えるか。安心安全。どんな食べ方があるか、レシピは。学校給食との連携。
- ステークホルダー:レストラン/料理人、学校、主婦、旅行会社、リタイアした人、農家/農協、自宅で野菜を作っている人、植物工場
- オープンデータ:生産者・生産物・生産量、販売している場所、流通データ、空地、休職献立
<グループ5:他世代連携>
- 知的欲求を通じた他世代交流。
- 遊び・学び、子育て、自治体情報の共有。遺跡活用、伝承をアニメ等で発信するなど。住み替え促進のための空家情報など。
- ステークホルダー:行政、子育て関係のボランティア団体、小中学生、園児、市民活動、外国人、障がい者
- オープンデータ:空家、交流できる場所、遺跡、歴史、生涯学習、人口データ、人の動き、イベント、遊びの手段、学校
アウトプット:
次回、アイデアソンに向けて、大テーマとして、次の4つが挙がった。
- 地域生活の利便性
- 地域コミュニティ活性
- 地域の産業・商業・農業活性
- 環境変化への耐性
これを踏まえて、アイデアソンは、下記テーマで設定する。
川崎市宮前区 G空間未来デザイン
テーマ「坂に負けない、みんなで創る”歩きたくなる街”」
坂という弱みを”坂を楽しむ”など、強みに変えるアイデア
高齢者が多いという弱みを”長寿の街”という魅力に変えるアイデア
市内でもあまり知られていない、都市農業の魅力を伝えるアイデア
市民誰もが情報の作り手、サポーターになるためのアイデア
世代・年代を越えて、交流し助け合うためのアイデア
並行してアイデアソンでは、横浜市、富田林市、室蘭市の協力を得て、次の2つの分科会も開催したい。
分科会②: 「老いる都市に備え、地域を活性化する」
(協力:横浜市、富田林市)
(協力:横浜市、富田林市)
公共施設、社会インフラの老朽化への対応
空き家・空き店舗を活用したまちなかや地域の活性化
ゲリラ豪雨、土砂災害、地震などへの備えの充実 等
分科会③: 「ヒト・モノ・カネ減少下でのデータを活用した行政の高度化・効率化」
(協力:川崎市、室蘭市)
(協力:川崎市、室蘭市)
G空間情報等の統計データの見る化、データ分析に基づいた政策の検討等を促すツールの開発
自治体や学校、福祉施設の職員等がGISや空間情報を活用できる政策支援ツールの開発 等
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