レジリエンス:Cafe Vol.3 「レジリエンス・シティ/レジリエンス・タウン」
セッションの目的
レジリエンスの未来に向けた対話を重ねて、未来の街の姿や様子をみんなで描き出してみましょう。
レジリエンスプロジェクトが行き渡った未来の街や都市は、一体どんなことになっているのでしょうか?
開催終了
インフォメーション
- 開催日時
-
2014/11/14 (金)
18:30 ~ 20:30 - 応募締切日時
- 2014/11/14 (金) 20:30
- 会場名
- 新宿センタービル 52F 大成建設 小ホール
- 住所
- 東京都新宿区西新宿1-25-1
- > google mapで表示
- 定員
- 20 人
- 参加費
- 無料
- 主催者
■主催:大成建設株式会社 ■協力: 株式会社フューチャーセッションズ 、一般社団法人企業間フューチャーセンター 、京都造形芸術大学外苑キャンパス:Planetary Design 講座2014(竹村真一教授)
対象者
企業の役職員(経営者含む)/ NPO、公益法人/行政、公共団体/学校・教育関係者、学生の方など、広く募集いたします。
・これまでのセッションに参加いただいた方
・地震対策や防災に取り組まれている方
・BCM/BCPについて取り組まれている方
・レジリエンスについてご興味のある方
詳細説明
18:30~18:40 ≪チェックイン≫
18:40~19:00 ≪関係性をつくる≫
レジリエントな未来社会の姿について話し合います。
19:00~20:00 ≪新しい問題の構図を創る≫
レジリエントな未来の街や都市の姿を対話を重ねながら創造し、みんなで描き出してみます。
20:00~20:30 ≪未来シナリオの共有≫
それぞれが得られた気づきをシェアします。
3回目のレジリエンス:Cafe。テーマは「レジリエンス・シティ/レジリエンス・タウン」。
レジリエントな「まち」の姿や様子を描き出してみることにトライしてみました。
チェックインから、そのままサークルで「都市で大きな災害やパンデミックがおきて、壊滅的な状態になってしまったあと、再び作り上げていく都市の形はどんなものなのだろうか?」ということについて、想像できることや考えられることについてそれぞれの意見を出し合ってみました。
そこで真っ先に挙げられたのは「職住の分離」とそれに伴う「様々な資源の必要量の増大」への指摘。
○都市で活動されている人の大半は、毎日郊外の住宅地との間を移動している。
○そのために様々なインフラやエネルギー、物資などがその両方に必要となる。
○都心部と郊外それぞれに、時間帯によって大きな人口差が生まれる。
こうした二面性を踏まえながら考えていく必要があるのではないか・・・という指摘でした。
また、そうした「まち」の姿を考えるとき、建物や道路など、あるいは住宅や公園、農地といった、いわゆるその舞台であるハードウェアを考えがちですが、実際にそこにいる「人」の活動そのものが「まち」を構成する要素の本質であり、その姿を考えていく事こそが、レジリエントな「まち」に繋がっていくのではないか、というお話も出てきました。
後半は、「まち」を「都市」「地方」「地域」の3つのテーブルに分かれて、その間を自由に行き来しながら、レジリエンスの高い「まち」の姿を考えていきました。
■都市
○企業が機能しなればならない
○企業はしっかりとやっているように思う
○広場や公園などがもっとある街
○道路や鉄道などの交通網も必要
○住民の繋がりが必要
○企業の繋がりも必要
■地方
○財源を持っている
○外に頼らない
○でも、外とつながっている
○インフラが自立している(買うのではなく作る)
○その場所の価値を知っている(活かしている)
○生活と仕事が一体になっている
■地域
○行政も住民もしっかりしている
○行政と住民が連携がとれている
○その土地のリスクを知っている
○近所の人を知っている
○知恵を分けあって、訓練などもしている
○インフラが自立している
など、それぞれにたくさんの意見が出されました。
全体のシェアの中でも、大きく注目された意見があります。
「都市は既にレジリエンスが高いのではないか?」
これは、東北の被災者の方が実際に言われた言葉だそうです。
災害やリスクに対する都市の脆弱性はよく指摘されるところですが、この評価は全く逆の視点を持っています。
「都市には様々なものが集中しているし、その周辺には郊外というバックアップの機構がつながっている。無くなってしまうと困るからこそ、何かあった時に支援も強力に集中されるのではないか。」
というのがその理由だそうです。
この視点を基軸に、
「中枢的な機能や資本が集中している都市がやられたら、やはり周辺も支援は難しいのではないか。」
「時間帯にもよるし曜日にもよる。都市に人が集中している時であれば大きなダメージになり、都市の回復は難しい」
「その場合は、周辺で回復することもできるし、更に外や他の都市で再開できる。」
「であれば、それは「その都市」が回復するとは言えないのではないか?」
「都市自体というよりも、企業や人のレジリエンスということなのかもしれない。」
など、様々な疑問や意見が交わされました。
「長い時間をかけて、莫大な投資がなされてきた大都市が壊滅したあと、その回復の方向をレジリエンスの視点で考えると、それを全く元に戻すということにはならないだろう。であれば、その姿を今のうちに考えていくことが、レジリエンスを高めていくことに繋がるはず。」
「街の姿で思い浮かべる建物や公園などは舞台装置であり、その中にいる人の営みや繋がりこそが街をつくるもの。舞台装置は、それを支援したり、更に良くするものであることを忘れてはならない。」
レジリエンスの高い街とはそういうものではないかと思うと同時に、
「では、都市とはなにか?街とはなにか?」
「どのような営みや繋がりがあれば、そうなっていくのか。」
「地方と都市の関係、地方同士の関係もそうした点で考える必要がある」
という新しい問いかけも生まれてきました。
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